*** 推 敲 中 ***
福岡のダンサーが出演するダンス公演で、ストーリーのあるダンスパフォーマンスだ。セリフはない。
気合の入った公演でそれなりには楽しめた。ダンスは演技に比べて技量のレベルがわかりやすいこともあって大きな破綻はない。しかし全体的にいかにも力まかせで一本調子でおもしろみに欠ける。気合を入れる方向がちょっと違うのではないかと思った。
かなりありきたりのストーリーだ。
青年ユージがマンホールを通って架空の世界アビラティへ。そこで舞姫ターナと恋して、ターナを伴って地球に戻ろうとする。それを架空の世界の王アシュークが阻止し、ユージはひとり地球に戻る。
セリフがないから複雑なストーリーにはしにくいが、もう少し工夫があってもいい。
ソロやペアのダンスもあるが、群舞が多くその印象が強い。
いちばんおもしろいのは「歓喜の宴」(振付:近藤良平)。近藤良平らしいかなり荒っぽいダイナミックな振付を、多くのダンサーでいかにも楽しく踊るのがいい。
他にいいと思ったのは「希望」(振付:マユミ・ウイスニュスキー)のさわやかさくらいで、全体としてはかなり陳腐で単調なものも多い。
ダンサーが楽しく踊っているのはいいが、その動きの美しさに感動するところまではなかなか行かない。
特に、ユージとターナの愛の表現がとおりいっぺんで弱いのが痛い。それはダンスの切れ味の悪さにも起因しているように思う。ユージの衣裳のセンスがあまりよくないのも気になった。
この内容で前売り3000円はやや高い。
この公演は2ステージ。私の観た夜のステージは7割くらいの入りだった。