*** 執 筆 中 ***
さりげなさ、リアルさ。そのなかにしっかりと施された仕掛けで、相対化され、立体化され、さらに13年前までの時空が如実に広がる。そういう舞台だ。
中学校の美術室。そこで自死した生徒の13回忌に集まったかっての美術部員たちは、法要を終えて夜の花火を待っている。
学校では、安藤という先生がバットで殴られて入院中。だれが殴ったかはわからない。
よくわからないものの登場。 という人物は、同じクラスで美術部員だったという本人の主張もむなしく、結局はだれも彼を知らない(思い出さない?)。その彼が、13年前の友人の自死の理由を語る。
幻影の登場。野球部の という中学生は、自死した中学生とかぶり、時に13年前に突然タイムスリップする。
この舞台のおもしろさは、さりげなく徹底的にリアルに作られながら、そこにこめられた事実を確認していくという、そのことの快感ではないだろうか。