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《2004.7月−11》

相対化されることで、さらに立体化されるリアル
【空の絵の具 (太陽族)】

作・演出:岩崎正裕
17日(土) 19:05〜20:20 西鉄ホール 招待


*** 執 筆 中 ***

 さりげなさ、リアルさ。そのなかにしっかりと施された仕掛けで、相対化され、立体化され、さらに13年前までの時空が如実に広がる。そういう舞台だ。

 中学校の美術室。そこで自死した生徒の13回忌に集まったかっての美術部員たちは、法要を終えて夜の花火を待っている。
 学校では、安藤という先生がバットで殴られて入院中。だれが殴ったかはわからない。

 よくわからないものの登場。 という人物は、同じクラスで美術部員だったという本人の主張もむなしく、結局はだれも彼を知らない(思い出さない?)。その彼が、13年前の友人の自死の理由を語る。
 幻影の登場。野球部の という中学生は、自死した中学生とかぶり、時に13年前に突然タイムスリップする。
 この舞台のおもしろさは、さりげなく徹底的にリアルに作られながら、そこにこめられた事実を確認していくという、そのことの快感ではないだろうか。


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