あ〜ぁ、感想書きたくな〜い!
大塚ムネトと鈴木新平を見たいと思ったのがまちがいのもと。好みでない舞台だというのは、はじめからわかっていたのに。あ〜ぁ、観にいくんじゃなかった。
漱石の「坊ちゃん」の劇化。
松山の中学校に赴任した坊ちゃんが、山嵐とともに、よからぬことをたくらんだ教頭・赤シャツなどをこらしめる。
となりの人は「おもしろかったね」と言っていたから、ほんとうに好みは様々だが、わたしにとってはどうしようもなくつまらない舞台だった。
正直に書いていたら悪口だらけと取られかねないから、ここは鈴木新平の演技に絞り込んで見ていこう。
鈴木新平の役は校長たぬき。大きめのモーニングをいつも着ていて、その姿と動きはたしかにタヌキそっくりではある。あまりに即物的な発想だが、問題はそんなところばかりではない。そのセリフも動きもどうしようもなく型にはまってしまっていて、その重苦しさはどうしたことだろう。鈴木のこんな演技ははじめてだ。何なんだ、これは? 鈴木はどこに行ってしまったんだ?
鈴木は、校長たぬきのゴワゴワの着ぐるみのなかに閉じ込められてしまっていたのだった。そのなかでの大ざっぱで類型的な演技に終始し、鈴木らしい切れなどどこにもない。しかたないだろうな、全体が着ぐるみに閉じこめる演出で、生きた人間など登場しないのだから、鈴木とてやりようがなかったんだろうな、と同情する。
そんなふうで、よかったのは装置のていねいさと場面転換のスムーズさくらいしかない。
この舞台はきょうからあさってまで6ステージ。3分の1以下の入りだった。それにしても料金が高すぎる。