シルク・ド・ソレイユなどを手がける振付家デブラ・ブラウンをプロデューサーに迎えたパフォーマンスは、伝統的な雑技をみごとなライティングや音響や映像でブラッシュアップしたファンタジーショーになっていた。
見応えのあるたくさんの演目が、ほんとに息もつかさぬテンポで繰り出される。
〔登場〕
はじめは舞台は半透明の大きな円筒で覆われていて、その中で、輪になった女性の中心から1人の女性がロープで吊り上がっていく。それが降りてくるタイミングで大きな円筒は吊り上げられ入れ子になって天井に収まる。
スモークの中を甕を積んだ舟が登場。その船頭が前半の進行役的な役回りで「甕まわし」などの演目も演る。1つの甕の中から、あとで「柔術」を演る女性が4人も登場するのにビックリ。
〔女子自転車曲芸〕
6台の自転車によるソロ乗りから始まって、ペアから最後は1台8人乗りまで、曲乗りの妙技を楽しませてくれる。
〔船上雑技〕
バランスを取りにくい半楕円形の上にコップを4つ置いて板を置いたものが3段。その上に乗って頭の上に置いたどんぶりに、どんぶりを片足で蹴上げて乗せる。最後の3個いっしょに蹴上げて乗せるのはハラハラ。
〔輪くぐり〕
中央に2メートルを超える高い輪、四方に人の背丈ほどの輪があって、いずれもゆっくりと回っている。それを連続していろんな姿態でくぐっていく。最後は3メートルほどの高さの輪までくぐる。
〔甕まわし〕
中くらいの甕を高く放り投げて手や肩で受け止めて頭の上で回す。それをさらに、高さ80センチ以上もありそうかという大きな甕でやってしまう。
〔柔術〕
女性4人による組体操だが、その作り出す形が半端じゃない。
〔大車輪1〕
巨大なホイールに3つの円筒が取り付けられていて、1つの円筒に2人が入ってホイールを回転させる。円筒の上に目隠しして乗ったり円筒の上で縄跳びしたり。開始前にパフォーマーが大き傘をさして天井から降りてくるなどの演出も楽しい。
終了と同時に巨大な幕が降りてきて、ここで10分の休憩。
〔影体操・バランス〕
天井から降りた巨大な幕に組体操を映す。そのあと幕は落とされて男性のダイナミックな組体操が演じられる。
〔大跳板〕
弾力性のあるシーソーを使った跳躍の数々。最後は2メートル以上ある1本竹馬で跳びあがって空中で回転してみごとに着地する。高さ6メートルもあろうかというところにある人が支えたイスに、跳んでみごとに座る。
〔トランポリン〕
長い赤い布をつけたバトンを使ってワザをより華やかに見せるなどの工夫がしてある。
〔空中アクロバット〕
女性3人による空中ブランコはワザよりも優雅さを強調している。
〔回転アクロバット〕
天井からぶら下がった2枚の布に絡まった男女2人の空中遊泳は、優雅でロマンチックだが、互いを支えあうテクニックは高度だ。形を変えながら4回ほども飛ぶ。歌手の歌が重なってロマンチックな気分を盛り上げる。
〔大車輪2〕
両端に円筒をつけた巨大な軸が回転する、シルク・ド・ソレイユの「ホイール・オブ・デス」と同じパフォーマンスで、ド派手。
〔モーターバイクショー〕
大きな球体の中をオートバイが走り回るというおなじみのショーだが、上海の雑技団では入るオートバイの台数を競いあっているという。オープニングは皿回しの女性6人が客席の通路を通って登場し、そのあとおもむろにオートバイが登場して、1台づつ球体に入っていき5台で乗り回したあと、5台が水平に回るところの下にさらに3台が入って水平に回る。
途中で地球の写真が舞台上に映し出されたりして、全体的に「回転」にこだわったパフォーマンスは「生命の輪」を意味しているという。それを、充実した上海馬戯城の機能を使ってシルク・ド・ソレイユ的に見せ方を演出していて楽しめた。音楽はカナダの作曲家ミッシェル・ジェーソンによるもので、むろん生演奏だ。技芸もテクニカルに負けてはおらず、パフォーマーはみな美形だ。
ドーム型の上海馬戯城の客席は1,672席で連日のショーだが観光客でほぼ満席。円形劇場のため舞台は近くて観やすかった。