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《2002年1月24日》

年間ベストテンを選んでみた

〜2002年の観劇をふりかえる〜


 2002年に観た舞台を、地元劇団と来福劇団に分けてベストテンを選んでみた。また、福岡以外で観た舞台も加えて、総合的なベストテンも選んだ。
 まず選んだ舞台を列挙したうえで、若干の説明をさせていただく。

【地元劇団】
  1. うずめ劇場 いまわのきわ 作:セルジ・ビルビル 演出:ペーター・ゲスナー 3月
  2. あなピグモ捕獲団 Re:”Monster” 作・演出:福永郁央 9月
  3. きらら 眠らない瞬膜 作・演出:池田美樹 4月
  4. 夢の工場 さいごの晩餐 作・演出:大塚恵美子 6月
  5. PA!ZOO! ひのひのふう〜私が10kg太ったら〜 作:こっち田邦子(あみる) 演出:うみのはいね 11月
  6. 藍色りすと コットン 作・演出:太田美穂 7月
  7. 飛ぶ劇場 ミモココロモ 作・演出:泊篤志 5月
  8. 空想企画TIOPEPE ハコノナカ 作:いけうちしん他 演出:増本恵美他 3月
  9. ギンギラ太陽'S+轍 外食王オムレット 福岡電話物語 作・演出:大塚ムネト+日下部信 2月
  10. ばぁくぅ 陽気な幽霊 作:ノエル・カワード 演出:佐藤順一 6月
【来福劇団】
  1. 阿佐ヶ谷スパイダース ポルノ 作・演出:長塚圭史 8月
  2. 宇宙堂 詩のしの詩 作・演出:渡辺えり子 7月
  3. 自転車キンクリートストア OUT 原作:桐野夏生 脚本:飯島早苗 演出:鈴木裕美 3月
  4. 二兎社 新・明暗 作・演出:永井愛 11月
  5. エルカンパニー MAKOTO 作・演出:今井雅之 12月
  6. AGAPE store BIG BIZ〜宮原木材危機一髪〜 作:後藤ひろひと 演出:G2 9月
  7. 博多座・東宝 ラ・マンチャの男 脚本:デール・ワッサーマン 演出:松本幸四郎 5月
  8. キャラメルボックス アンフォゲッタブル 作・演出:成井豊 4月
  9. 自由派DNA オレンジ 作・演出:梶原俊治 11月
  10. 青年劇場 喜劇キュリー夫人 作:ジャン=ノエル・ファンウィック 演出:飯沢匡 3月
【総  合】
  1. ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー ベニスの商人 作:シェイクスピア 演出:ラブディ・イングラム 6月
  2. MONO きゅうりの花 作・演出:土田英生 8月
  3. 阿佐ヶ谷スパイダース ポルノ 作・演出:長塚圭史 8月
  4. 宇宙堂 詩のしの詩 作・演出:渡辺えり子 7月
  5. うずめ劇場 いまわのきわ 作:セルジ・ビルビル 演出:ペーター・ゲスナー 3月
  6. 自転車キンクリートストア OUT 原作:桐野夏生 脚本:飯島早苗 演出:鈴木裕美 3月
  7. ピッコロ劇団 四人姉妹 作・演出:岩松了 6月
  8. 二兎社 新・明暗 作・演出:永井愛 11月
  9. 新感線 七芒星 作:中島かずき 演出:いのうえひでのり 12月
  10. エルカンパニー MAKOTO 作・演出:今井雅之 12月

 地元劇団では、うずめ劇場「いまわのきわ」がずば抜けたおもしろさだった。きらら の池田美樹、夢の工場 の大塚恵美子 による質の高い舞台も楽しめた。
 福岡の劇団では、旺盛な舞台づくりを展開した あなピグモ捕獲団 の活動が際立っていたが、なかでも「Re:”Monster”」はみごとな舞台成果を見せた。
 若手では 藍色りすと「コットン」、空想企画TIOPEPE「ハコノナカ」が将来性を感じさせた。

 来福劇団は充実した公演が多かった。
 阿佐ヶ谷スパイダース「ポルノ」をはじめとして、複雑な構成をとって激しく迫ってくる舞台が多く、全国レベルの作品のもつ迫力を堪能した。
 ただ、今最も注目されている 坂手洋二 や 鐘下辰男 や 平田オリザ の作品が福岡で観られなかったのは何ともさびしい。

 福岡以外で観た舞台も合わせた総合的な順位では、ベストテンに入るのは地元劇団では うずめ劇場 だけになってしまう。
 ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー「ベニスの商人」は、高い完成度なのにみずみずしい。MONO「きゅうりの花」は、リアルで清新そして何とも楽しい。こんな舞台に出会うから観劇はやめられない。


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