どこまでが脚本があり、どこまでがアドリブかわからないところがまあ面白いかなと思う芝居だが、近くの席であなピグモ捕獲団の俳優さんたちが笑い転げているほどには楽しめなかった。
なぜか、面白くないとき襲ってくる睡魔に襲われた。若い人の笑いについて行けないのかなと心配になったがそうでもないらしい。
1ステージだけの公演で、観客は出演者等の知り合いばかりじゃないのと毒づきたくなる。結果、内輪ネタが多いから、内輪でない一般観客がぽかんとするところがあっても当然だ。
'99年3月のあひる実験室の公演のとき、何でもものまねするからと希望を出せと当てられ、当時メジャーになりかけていた藤原紀香をリクエストしたら、みごとにやってくれた。そのときの公演のけっこう面白かっためちゃめちゃに比べると、やや演劇がかってきたかとは思わせる。
しかしどこまで脚本があってどこまで稽古しているのか、どこからがアドリブなのかよくわからなかった。
それでも、ばかなことをふまじめ(と見えるよう)にやることのなんともいえない不安定さを感じたし、それがさらに、現実の不安定さが持つ不安までを表現していたのは収穫だった。だからコントとはいっても、カラカラとした明るい笑いではない。いやな気分になるやつの方が多いくらいだ。
かなり強烈な個性の、クセがある(と見える)俳優が多く、彼らが演じるからそのような不安定さも表現できるのかなという気がする。そのあたりがこの劇団の持ち味だ。
さらに徹底させていけば面白くなると思う。