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《2001.8月−10》

ひねりの角度は60度
【INDEX 4th ★渚は海のエメラルド★ (きらら・番外編)】

構成・演出:池田美樹
26日(日) 16:00〜18:00 あじびホール 招待


 久々の劇団きららだが、今回観たのは INDEX という番外公演だ。
 きららは、今から12年くらい前の劇団創立当初に熊本でかなりよく観ている。主宰の池田美樹の作劇法は、時空の飛び方等が野田秀樹によく似ていると思っていた。この頃の本公演ではどのような作品が上演されているのか、池田がどう変わっているのか気になるところではある。

 INDEXは、池田が言っていたが、本公演のほかに熊本の面白い人を集めた公演をやりたくて始めたものだそうで、オムニバスで短編の芝居やコント(のようなもの)が20近くも並ぶ。出演者も多彩だ。
 コント(のようなもの)は、入れ込んだものから漫談に近いようなものまで、ほとんど演じる人の地が丸出しに見えるが、それぞれに勢いがあって、その勢いで見せられてしまう。その面白さで、笑い転げるところまでは行かなかったが、それでも十分に楽しめた

 ひねりがさらに利けば、勢いだけに頼らなくていいようになるのではないだろうか。感じとしてはひねりの角度は60度というところか。これを90度くらいに持っていくにはもう一発の発想の転換が要るだろうし、180度まで持っていくには、状況設定から考えねばなるまい。
 かって、盛岡の自在社のコントを観たことがあるが、宝塚で「巨人の星」を上演するという状況設定で、宝塚版「大リーグボール養成ギブス」でめちゃめちゃ笑ったのを思い出した。これが180度のひねりかと思うが、状況設定を入れ子にするなど工夫しないと、大きな角度のひねりはむずかしいのかな、などと、今回の作品を観ていろいろ勝手なことを考えた。


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