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《2001.9月−1》

明るすぎるステージでの暗いパフォーマンス
【浜村翔・仮面パフォーマンス (中世博多展)】

構成・演出・出演:浜村翔
1日(土) 15:00〜15:20 中世博多展中央ステージ 展覧会入場料1000円


 百道で開催中の「中世博多展」のイベントのひとつとして行われている「浜村翔・仮面パフォーマンス」を見に行った。真昼間の午後3時からのステージで、雲ひとつない好天で会場から見える博多湾が美しく、風が心地よい。
 そんななかでの仮面パフォーマンスだが、動きの切れ味はいいし迫力はあるが、全体的には暗いパフォーマンスだ。照明で陰影がつく夜の方が多分もっと面白いだろう。

 5つの小品による約20分のショーだ。第1景はマントを羽織り、首を腹のところまで動かすのがポイントで、肩を棒か何かで支えたトリックなのだが、え〜っ!という感じ。第2景、第3景はよく行われる壁や風や荷物運びのパフォーマンスで、第4景はアクロバッティングな動きが中心のパフォーマンスで、いずれも仮面なし、黒い衣装に白い手袋で演じられる。
 大詰め第5景は歌舞伎の隈取を強烈にしたような仮面を使ったパフォーマンスで、赤い衣装を羽織る。1枚に見えた仮面は実は色違いの5枚重ねで、仮面を取っても仮面という意外性があり、強烈でありながら繊細な動きと併せ、ダース・モールが何人もいるような雰囲気に引き込まれる。足を運んだ甲斐はあった。

 パフォーマンスには観客は100人以上いたが、会場全体でみればがらがら。それもそのはず、中世博多展第1会場は物販ばかりで15分で見終わった。パフォーマンスがなかったら、これで入場料取るのか!と怒りたいというレベルの展覧会だった。


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