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《2001.9月−2》

ますますテンションアップのステージ
【あんみつ姫第46回公演 (博多歌舞伎)】

作・演出:とまと
6日(火) 22:00〜23:00 天神親富孝通り劇場 3000円+ドリンク


 「博多歌舞伎」は7月に甘棠館劇場で見たあと、その本拠である親富孝通りのオカマ・パブ・シアター「あんみつ姫」に行きたいと思っていた。今月までキャンペーン中で、火、水、木は入場料3000円なのでこの時期をねらい、9時過ぎに会社を出て間に合う10時のショーを見ることにした。行く前に酒も飲まず、しかもひとりで行くのに抵抗がないこともなかったが、ショーが目的だからいいやと割り切った。
 が、これがけっこう珍しかったらしい。確かにひとりで来ている客は私だけだったから、前説で、「ロンリー・ウルフ」などと散々からかわれたあげく、ひとりで「いぇ〜ぃ!」とやらされることになってしまった。まあ、しかたない。

 開演前に席に来てくれた「かめ」さんと話す。きれいだけれど、まだ発展途上か、ときどき男が顔を出す。スピードが命のステージでの衣装替えの大変さを話してくれた

 ショーの内容は甘棠館劇場のときと同じような構成だが、ここの方が劇場の機構が圧倒的にいい。その差は大きい。廻り舞台こそないが、大階段にせり上げ、空中に出演者や装置を吊るす機構など、こんな狭いところによくぞという感じだ。ステージはそれらをフル稼働させる。
 大階段は10段だがけっこう急で、その階段の上にも狭いながら舞台になっていて、その高さを使った演出で面白みは大きく増す。観客席の上からの宙吊りも楽しい。照明と音響もつぼを押さえ、切れ味もいい。

 今回の公演は、どちらかというとショーをぶっ続けに打つというパターンではなく、幕を引いた前でのコントやトークでつないで、ショーはじっくりというように思えた。
 それにしても、「♪やめろといわれて〜」という歌に自分で答えて「やめた!」と引っ込む20秒のコントのために、西城秀樹のかっこうで登場する徹底ぶりには感心する。だからおもしろいのだけれど。

 客席はほぼ満席で、観客数は60人くらいだろうか。若い人のグループが圧倒的に多く、女性の方が多い。観客は、パンティを頭にかぶせられたりの悪ふざけに対しても、けっこう一緒に楽しんでいる。
 とまとママの後説によると、週末は観光客が中心とのことだったが、行ったのが火曜日だったからか地元客中心と見えた。初めて「あんみつ姫」にきたという人は4割弱というところだった。


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