昨日の福大に続き、きょうは九産大演劇研究部第4回生卒業公演を観に行った。
九産大演劇研究部にはかって他の劇団の公演で見たことがある俳優が何人もいて、外部出演を依頼される実力があるほどに本格的な活動をしていることがわかる。
この作品は福大の公演に劣らず本格的で、精進の成果が表れている。
「電光石火」という妖刀を持った幕末の浪人・伊達小次郎が、有名になるために坂本竜馬の命をねらって、竜馬をはじめ新撰組や一朗丸、次郎丸、死郎丸の姉弟と、丁丁発止のやりとりを繰りひろげる。
人物の関係は一定のところにとどまらず、新撰組も3人の姉弟もそれぞれに仲間割れして離合集散を繰り返す。最後は、小次郎は死んだ竜馬の名で生きるところまで行ってしまう。
表現は、ややグロくてしつこいが、それがいちおうスタイルにまでなっている。外波山文明の芝居のスタイルによく似ている。
立ち回りも迫力がある。死郎丸の白塗りに黒の模様のおどろおどろしいメイクや、死んだ人間が生き返ったりの常道を無視した展開が面白い。
この作品を最後に卒業する長野慎也は、作・演出・主演と大活躍だ。豊かな素質を感じさせる。福岡で活動を続けてほしいと思う。
他の俳優もよく鍛えられていて、動きの激しい舞台をよくこなしていた。
九産大前駅が香椎線にあるものと勘違いして、香椎でわざわざ西戸崎行きに乗り換えた。和白で降りてあわてて引き返したが、開演に10分遅れてしまった。
初めて行く九産大だが、学友会棟はすぐわかった。会議室での公演で、簡単な装置や照明なのにうまく表現していた。観客は40人弱というところだろうか。