ことしもエンニオが観られた。初めて観た昨年よりも客観的に観られたかと思うが、その楽しさは相変わらずだった。
イタリア人パフォーマーによる、紙のコスチュームを使っての音楽に合わせた形態模写だが、その秀逸なアイディアと圧倒的なパワーで迫力があって見せる。
定番のお相撲さんからフレンチカンカンはあまり変わりはないが、横向きのモナリザや、おチンコ付きのヴィーナスの誕生など、切れ味というか過激さというか、そのあたりがややエスカレート気味ではある。
ピカソ風のカルメンの顔が福笑いになっているのも笑わせたし、ロシア人形・マトリョーシカからチャップリンを経てタヒチの女などという思いがけない展開にはかなりびっくりした。三大テノールやタイタニックや美空ひばりや鉄腕アトムや宝塚のベルバラは定番に近いか。
1組のコスチュームが2〜3の扮装に変化できるようになっている。25組以上のコスチュームがあるから、50をはるかに超えるキャラクターだ。その特徴を強調するアイディアとパフォーマンスの切れ味のよさには唸らされる。
それらのコスチュームを、曲のイントロの間に替えるのだ。かなりのはやわざだ。
昨年は夜9時30分の回が満席でびっくりしたが、きょうのマチネは6割ほどの入りだ。1回観ると面白さがわかって、もういいかな、と思ってしまった人が多かったのかな、と考えた。