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《2002.8月−4》

 邦楽の魅力 △▽ たっぷり
【夏座敷邦楽ライブ (ペーパームーン)】

構成:ペーパームーン
4日(日) 11:10〜12:10 ブライトンヒルズ藤崎ギャラリー 無料


 3日にアクロス福岡で行われた「邦楽ライブ 竹取物語」に出演のメンバーによる 筝・尺八・三味線のトークライブだ。
 3人の奏者がそれぞれ20分くらいづつ演奏とトーク(解説)をやってくれるのだが、演奏がうまいのは当然としても、トークの話術がなかなかよくて聞かせる。

 三味線は、杵屋五司郎の演奏。
 「幕間三重」は歌舞伎の舞台で足台を使って演奏されるというが、リズムが強調される曲で切れ味がいい。
 「虫の合方」、「佃の合方」は歌舞伎の下座音楽で、虫の音や川の風情を表現したものだ。「虫の合方」で表現される虫の音は、それを雑音とは聞かない日本人の感性=脳の構造を反映したものであることがわかる。
 「明の鐘」は、ラブソングでしっとりと聴かせる。
 トークでは、某消費者金融のCMでの「♪0120−XX−XXXX」の作曲が杵屋五司郎で、三田あいりはその曲を1週間で自分で演奏するところまで行ったということだった。

 尺八は、三橋貴風の演奏。
 まず、「呼び竹/受け竹」という虚無僧のあいさつ代わりの曲から入り、「鶴の巣籠」の一部、諸井誠の「竹籟五章」の一部を演奏してくれた。「竹籟五章」はメロディがきれいな曲だ。尺八は音色の種類が多く、多彩な表現ができるのがよくわかる。
 最後は筝との合奏で「春の海」で、その典雅さにうっとりした。

 筝は、桜井智永の演奏。
 「春の海」の演奏を見ていて、指が空を切ると妙なる調べが魔法のように飛び出してくるという感じで、聴きほれるよりもどっちかというと奏者の指の動きに見とれてしまった。
 もう1曲の「六段の調べ」はやさしい曲だ。

 聴衆は30人ほどで、至近で聴けてそれぞれの楽器の魅力がよくわかった。ぜいたくなイベントだった。


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