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《2002.10月−8》

面白いと☆思わせないような☆面白さ
【福岡ラーメンズライブ (西鉄ホール)】

構成:ラーメンズ
13日(日) 14:05〜15:20 西鉄ホール 招待


*** 推 敲 中 ***

 面白いけれど、ちょっとついていけなくてドッとくるというところまで行かなかった。
 ちょっとしたところをドンと強調したクローズアップの面白さ、わざと舌足らずな面白さなどまあ楽しめるが、なかなかうまく引っかかってこなくてやや眠いとろもあった。
 若い女性中心の観客はドッとみごとに笑うのに、感性の悪さか、話題をあまり知らないからか、前夜の寝不足のせいなのか、もどかしく中途半端な気分で欲求不満を少し感じた。
 そのような気分にさせる原因はそのさりげなさだろうか。ピリッとひねりは効いているのに、いかにもさりげなくやられる。普通のコントのように向こうから押しかけてくるというのではなく、自分の感性で食い込んでいくといった楽しみ方だ。

 10分くらいのシーンというか演目がいくつか組み合わされたオムニバス形式のような構成だが、演目の間に関連はない。
 最初は縄跳び。ふたりで縄を回しながらの言葉のやりとりで、うまく落としたり時にはすかしたりと切れ味はいい。
 次はスプーン曲げ。さらに図書館のシーンでは童話のバトルで、例えば竜の子太郎 VS 力太郎のいった形のものが三つ。
 だんだん慣れてきて、続く勉強の邪魔をする親父の話は、長くて繰り返しもありだんだん眠くなってきた。眠気はそのあとの日本歴史や人形のコントでピークに達したが、醒めないままにステージのほうがすーっと終わってしまった。
 あと、カーテンコールと素顔でのトークが少し。

 ラーメンズの面白さはうまい状況設定と発想の奇抜さによっている。発想は、状況から派生している一見どうでもいいことを大きく引き伸ばしたり、状況を無視してひょいと別の状況を垣間見せる。
 それをなんとも現実離れした、キャラか演技かわからないような表現で軽くぶっ放すという形だ。そのさりげなさが持ち味だ。

 そう、結局楽しんでいたんだ。シニカルな笑いはたしかにクセになりそうだ。

 このライブは西鉄ホールで3ステージ。階段席もびっしり出ていて超満員だった。


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