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《2002.10月−17》

キャパと時間が◇プレッシャーか
【E-1グランプリ2002 九州大会 第1日 (E-1グランプリ実行委員会)】

構成:E-1グランプリ実行委員会
28日(日) 19:00〜20:25 西鉄ホール 招待


*** 推 敲 中 ***

 100人くらいのところでやっている劇団にとっては、西鉄ホールには魔物が棲んでいるようだ。舞台の広さと観客の多さに加えて、20分以内という難しい上演時間からくるプレッシャーをどうはねのけるか。それが勝敗の分かれ目になった。

 出場ユニットごとにみていく。

○あんみつ姫 「ホモデレラ」(作・演出:とまと)
 題名からわかるように「シンデレラ」のもじり。全員ブリーフ姿で男性は上半身裸というのは壮観だが、オリジナリティに欠けると見られるのはしかたないか。あんみつ姫らしくシーンごとにもっとぶっ飛んだ演出の工夫があってもよかった。

○Hole Brothers 「賢者のかけそばとおじいさんの古時計−O.ヘンリー短編集より−」(作・演出:幸田真洋)
 題名からもわかるような元ネタからの連想の域を出ず、演出も工夫した割には不発で、平板な作品になってしまった。発想、構成にもう一段の工夫が要る。

○Knock Out シアター 「君の瞳に恋してる」(作・演出:グッキーあんとく)
 オーディションの作品を長くのばしてきたが、先生と猿山くんという追加された人物も魅力的で、ストーリーにも幅が出て楽しめた。観客をひきつける俳優の技量も高い。

○DESERT ROSE 「DESERT ROSE ep.01」(原案:天音、作・演出:屋代一樹)
 オアシスのホテルにたどり着いた旅人の話。現実か幻か不分明なまま放置されすぎていてイライラで、気持ち悪さも中途半端。もっとはっきり分かりやすくテンポよく進めたがいい。

○羽犬塚歌劇団 「羽犬塚グランドロマン モリノ・クマサン」(作・演出:前原寿代)  大恋愛を童謡にのせて演じるアンバランスが楽しい。地の部分は大げさな宝塚調が笑わせる。役者も見せる。

 九州大会への決勝進出ユニットは観客の投票により決められた。
 結果、羽犬塚歌劇団 が断トツの1位で、2位は Knock Out シアター、この2ユニットの決勝進出が決まった。3位のあんみつ姫 は、明日の第2日の3位との間で投票数の多かったほうが決勝に進む。

 オーディションの1ユニット7分というのは勢いで持っていけるというところもあるが、上演時間20分となれば、構成を考えそれをアイディアで満たすためのきちんとしたパワーが要ることがわかる。
 全体的には、構成、発想ともいまひとつという印象だ。もっと思い切った作品があってもよかった。

 観客は80%強の入りというところだ。意外に演劇関係者の姿は少ない。一般観客を増やすという目的からすればそれは好ましい傾向かもしれない。演劇関係者はぽんプラザホールにでも行っているのだろうか。


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