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《2002.10月−18》

エネルギー☆☆あふれる
【E-1グランプリ2002 九州大会 第2日 (E-1グランプリ実行委員会)】

構成:E-1グランプリ実行委員会
29日(月) 19:00〜20:30 西鉄ホール 招待


*** 推 敲 中 ***

 第2日は挑戦的な力作ぞろいで楽しめた。挑戦がうまくばかりは行かなくても、失敗と思える作品にもエネルギーは充満していた。

 出場ユニットごとにみていく。

○ラスト・フォー・ライフ 「コンフュージョン」(作:直井哲也、演出:上瀧征宏)
 出会い系サイトでもつれ3三組が同じ場所で鉢合わせしてしまうまでを描く。オーディションと同じパターンだが、2組のペアを3組に増やしオカマを入れたりと工夫はあるがまだ膨らませかたが足りないし、若干わかりにくい。本音のしゃべりの部分の切れもいまひとつ。

○きららBチーム 「恋島恋太郎」(作・演出:宗真樹子)
 日舞バラエティで、宗真樹子のしゃべりと踊りがたっぷり楽しめる。オニムラルミのキャラも面白い。オーディションからどこをどう引き伸ばしたかわからないほど細かいところをうまく膨らませている。

○Loose Man 「れんげでスクエナイ味噌スープ」(作:田中星海、演出:波瀾万丈)
 親を殺して財産独り占めの息子の届く荷物。そして死んだ親が動き出す。ストーリーは分かりやすくなり、天井からドッと荷物が落ちてきたりという工夫が生きてインパクトは強くなった。

○劇囚 芝居屋 「鯖」(作・演出:空閑薫)
 裁判劇。ばかばかしいけれど、論旨が平板で陳腐なため全体がうまくからまず、せっかくの俳優も生きていないのが惜しい。

○きららAチーム 「トリと王様」(作・演出:池田美樹)
 トリを感動させようと演じる王様を描く朗読劇。鍛えられた声の表情が豊かでひきつけられる。オーディションはそれだけで完結しているようにみえたが、さらに展開する続きのストーリーがあった。

 観客の投票の結果、1位は きららAチーム、2位は Loose Man で決勝進出が決定。3位は きららBチーム だったが、昨日3位の あんみつ姫 の方が得点が高く、あんみつ姫 の決勝進出が決まった。

 今回のE1グランプリで観客を増やすためとはいえ、私は観客に徹するという原則を破って、メールをいただいた方に出場や推薦をお願いしたり、オーディションの審査をさせてもらったりした。結果いつもの単純な観劇とは違い、主催者に近い立場で入場者数や観客の反応が気にかかってしかたがなかった。そのようなことは、素直な感想を書けなくする危険がある。
 感想も、知り合いの劇団にはつい手心を加えるという傾向は避けられない。なるべく演劇関係者と知り合いにならず、客席で観劇してこのサイトに感想を書くだけという観客に徹するようにしていきたいと思う。

 観客は昨日より少なく、70%弱の入りというところだった。


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