役者を見せるための芝居で、みんなで楽しくやる芝居だから、仲間うちになったつもりで観れば楽しめる。
　楽しくやるための工夫はたくさん盛り込まれている。借り物のキャラクタ、借り物のどっかで観たようなストーリーなどなど気になるところはあるが、あんまり細かいことを言ってもしかたがないという舞台だ。

　ルパン３世の孫であるルパン５世が、カリオストロに幽閉された姫を助け、５００年前に隠された財宝を手に入れるが・・・。

　意図的な荒唐無稽さだが、それを役者の個性と芸（かな、ただの目立ちたがりかも）を強調しながらうまく見せる工夫がなされている。観客に話しかけ拍手を強要するなどの面白ければ何でもありという貪欲さはいい。勢いがある。
　ストーリーは強引だが、狭い舞台をうまく使って表現している。そして強引なハッピーエンド。いいんだいいんだ、私は仲間うちになって楽しんでいるんだから、文句は言わない。

　役者にはそれぞれに見せ場が用意されていて、たっぷりと見せてくれる。
　それぞれに個性的でタレント性十分。チェリー行武のすっとぼけたキャラ、不破一夜の濃いキャラ、宝満剛のなかなかの存在感がいい。新開健司のエクボがかわいい。

　観客層は幅広い。子供も多い。満席。
　この公演は劇団結成２０周年記念公演だが、１５周年記念公演以来の５年ぶりの公演という。今回の公演は５ステージ。