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《2002.11月−9》

ライブ公演は☆ストーリーのあるバラエティ
【遊園地3兄弟の冒険 (ギンギラ太陽'S)】

作・演出:大塚ムネト
17日(日) 13:00〜14:25 クラブバクー 3000円(1ドリンクつき)


*** 推 敲 中 ***

 8月に続くクラブバクーでのライブ公演である「遊園地3兄弟の冒険」は、ストーリーのあるバラエティの乗りで楽しめた。

 西鉄の遊園地「到津遊園」、「香椎花園」、「太宰府園」の、ほんとうの夢見る力を求めての冒険が、「到津遊園」の閉園騒動を通して描かれる。夢見る力を奪うものとしての絶叫マシーン主体の遊園地・テーマパークを悪役とする。「到津遊園」が、閉園反対のの署名とそれを受けたお役所税金パワーで再生していちおうハッピーエンド。
 大手資本のTDL、USJは明確な敵、ハーモニーランド、三井グリーンランドは揶揄の対象、スペースワールドは味方という位置付けで、テーマパークを襲う不況の嵐に翻弄されるシーガイアやハウステンボスは同情の対象だ。3兄弟だってお世辞にも好調とは言えないが、ここは無視して感情移入するしかない。

 最前列で観たから役者の熱気がモロに迫ってきて迫力だった。構成上の工夫もいろいろあって楽しめた。同じようなシチュエーションがあって展開が読めたりと、ややマンネリなのかなという気がしないでもなかったが。
 ストーリーがきっちりとしており、しかも表現方法がひとひねりして奥行きを出している。ライブ公演ではその上に、個々のシーンにバラエティの要素が強くして、エンターテインメントとしての楽しさを増強したという作りだ。

 かなり手慣れた、大塚ムネトらしい手法が駆使される。
 主役の3兄弟のそれぞれを二人で演じることで奥行きを出した。それぞれは、光と影あるいは実像と虚像という形で独自に行動して、いいことばかりではないその複雑な在りようをうまく表現する。
 動物園の動物を殺さざるを得なかった戦時中の話を持ってくることで時間的な広がりも出た。

 この公演は3日間6ステージ。満席だ。
 きょうは風の子九州の「Open」が1ステージだけ上演されているが、この前売り券を買っていたため観られなかった。


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