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《2003.1月−11》

松岡涼子の☆不思議な存在感
【新春事務所公演 (青龍會)】

構成:青龍會
25日(土) 19:15〜21:20 青龍會事務所 1500円


 舞踏青龍會の新春事務所公演・踊り初めは、5人の舞踏手が持ち味を発揮していて楽しめた。
 それぞれの舞踏手は約20分づつを踊る。公演場所が公団住宅の一室だから照明などの効果は不十分だが、この集団の舞踏にはあまり関係ないようだ。むしろ近くで見られるからこんなスペースでの公演は却ってありがたい。
 登場順に感想を述べる。

 岩城朋子は、体の線を強調するようなブラウンのシースルーのワンピースに、パーマでボリュームをさらに強調した髪で、母を捨て女を生きるひとり女性の生き様を踊る。打ち捨てて地に転がった赤ん坊に触れた足がピクリと反応する。そんな表現が新鮮。

 橋本茜は、上下とも黒のジョギングスタイルのようなシンプルな服で、ユニセックス。オペラの重厚な曲をバックに、静かな集中から激しいクライマックスにもっていく。

 山口千春は、形と動きの美しさで見せる。無機的な音楽に合わせてゆったりと動かす体の表情が実に豊かで、顔の表情ともあいまって、シンプルなのにまめかしい。

 松岡涼子は何とも不思議。バックのピアノの音は低く途切れがちで、踊りは動きが非常に少ないにもかかわらず、その存在感に引きつけられて飽きない。静さの先に懐かしさまで感じさせられる。

 原田伸雄は、顔の半分を白塗り。白くゴテゴテのドレスを着て登場。やがてドレスを脱いでそれを手に抱えてぐるぐる廻る。すっきりした姿かたちで、跳ぶ、横になる、縮こまるなど動きは変幻自在。

 観客は20人強。新年会がメインとかで関係者が多そうだった。踊りの途中にもおいしそうな匂いが流れてきた。


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