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《2003.5月−6》

現実のみごとな切り取りが作る笑い
【福岡ラーメンズライブ (西鉄ホール)】

構成:ラーメンズ
11日(日) 18:00〜20:00 西鉄ホール 招待


 今回のライブでラーメンズ体験は2回目だが、やっとそのものすごいおもしろさがわかった。メチャ笑った。人気があるのもよくわかる。

 1つが10分ほどの、9つのコントで構成される。共通しているのは「ホテル」。
 最初と最後のコントがベル・ボーイが立つエントランスを舞台にするほかは、ベッドのあるホテルの部屋が舞台となる。
 コントはつぎのようなものだ。
  @ベル・ボーイのカンパニー・レボリューション(ホテル改造計画)
  Aマリコマリオという漫画家の執筆のためのカンヅメ
  B六浪の受験生とその家庭教師の受験対策
  Cホテルマネージャーを訪ねてきた無職の友人のホテルマン体験
  Dメチャメチャツアーの添乗員の客への説明
  E友人の結婚式に来た手品オタクとガンプラオタク
  Fバニーボーイへの接客術教え
  Gロバの幽霊の客とマネージャー
  Hベル・ボーイによるホテルのナンセンスなテーマソング

 コントのおもしろさの作りは幅広い。発想がものすごく豊かだ。
 設定のおもしろさでみせるGのようなコントもあるが、全体的には会話のおもしろさで見せる。Dに代表されるようなシュールともいえる会話もあれば、Fのバニー男のように極端に強調された性格の人物がからむ会話もある。
 会話には、突っ込み、ひねり、すかし、などなどいろんな手管が施される。本音とタテマエがコロリと入れ替わるような、みごとな変わり身も見ものだ。
 それらを演じるとき、ふたりのなかなかのアクションが入る。

 ツッコミとボケをどちらが演じるかは固定しない。小林も片桐も、役柄によってツッコミもボケも演じる。
 ちょっとしたセリフから、人物の性格をみごとに表す。それがさらに突っ込んだセリフを吐き、互いにぶつかりすれ違って、最後ストンと軽く落とすのも小気味いい。

 エンディング・トークがなかなか終わらず25分も続いたが、即興のさりげないしゃべりも楽しい。
 この公演は全部で3日間5ステージで、私が観たのは最終ステージ。超満員で、階段席が出ていた。


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