紅あきら劇団は、博多新劇座のこけら落としのとき以来2回目。今回もたっぷりと楽しませてくれた。
オープニング・ショーは、約25分で、踊りや歌が6つ。
座長は、5番目の和装のじっくりした踊りのあと、最後の安来節で、ひょっとこの面をかぶって、ユーモラスで色っぽい踊りを見せる。動きが実にいい。この安来節だけで10分を超えるような長さだが、飽きさせない。
続くお芝居は「忠治、いいってことよ」。3場で約50分。
親分が死んで落ち目の鷲尾一家にかくまわれていた国定忠治。役人に売られようとするところを助けられて逃げ落ちる。
その忠治、鷲尾一家のライバル・山形一家に娘を売りに来た百姓が、山形一家にだまされてまきあげられていた娘を売った金を取り返してやり、娘ともども田舎に帰してやる。
そして最後は、追ってきた山形一家をバッサバッサとやっつけて幕。
じっくりと進める芝居で、それなりに見応えがある。しかし、ストーリー上の矛盾が目について、あまりすっきりはしない。例えば、強欲な山形一家の上前をはねる様は、忠治が悪人に見えたりする。百姓役の沢田ひろしの三枚目がいい。
口上は、14歳の紅大介と副座長格の沢田ひろし。口上というより、トーク。それで15分ももたせる。
最後、バラエティ・ショーは、途中に座長あいさつや物販の時間も含んで1時間20分ほどで、だしものは全部で14。
踊りは、石原裕次郎や、氷川きよしや、狩人の歌にあわせて踊り、古くささやダサさはない。子役の紅なるみがかわいい。ラストは「ソーランかもめ唄」で、10分近くたっぷりと見せる。
きょうは、この公演最後の日曜日ということもあって満員で、補助席で観た。立ち見用の手すりに両腕を置いて、その上にアゴを乗せて舞台を観ていると、「ニュー・シネマ・パラダイス」の主人公・トトにでもなったような気分だった。が、無理な姿勢がたたって腰を痛めてしまった。