25日(土)11:00〜18:00 および 26日(日)10:00〜 に行われた松尾スズキワークショップの最後の1時間半が見学の時間になっていて、西鉄ホールは見学者でいっぱいだ。
内容は、2日間のワークショップの成果としては十分なほどに楽しめるものとなっていた。
開演に15分ほど遅れたのでオープニングが観られなかったが、フィナーレと対になっているのであれば雰囲気は想定できる。
まず観たのは、「話したいクンと聞きたいクン」。30分弱で5人の「訴えたいこと」を聞く。
男女7人を前に出して、ふたりが「聞きたいクン」となって話を聞く。話した人は「聞きたいクン」のひとりと交代する。
講師は「博多の若者はいつこんなにシュールになったのか」と言っていたが、組み合わせたりひねったり裏から見たりが弱くてインパクトに乏しく、観客に向けての訴求力はいまひとつだった。話で観客を惹きつけていくのはむずかしい。講師は「盛り下がったっていいじゃないか」とも言っていたから、それでもいいんだろうけど。
次が、講師の作による「訴えエンゲキ」。上演時間約10分。
登場人物は男女ふたりだが、それを、男性と犬を男性8人で、女性を7人の2グループ計14人で演じる。話は、カッパドキアでだまされてゲームに負けた代償にじゅうたんを5本も買わされた女性の訴えを男性が聞くというもの。男性のうち4人が犬になったり、女性はひとりひとりにセリフを分けてしゃべらせたり、という演出がおもしろかった。
そのあと、松尾スズキへの質問コーナー。約20分。
○演じることは楽しいですか → 板ばさみ。出たい気持ちとヤバイ気持ちの追いかけっこで、リスキー。しかし、楽しまなければソンなので、楽しむ。
○演劇にかかわってきていちばん喜びを感じることは何ですか → ザ・スズナリで初めて公演したとき「来たな!」という感じがあった。その楽屋から劇場をとり巻いているお客さんを見て「すごくいいな!」と思った。
○劇団を解散したら、あるいは老後はどうしますか → 物書きになっていくのかな。NGを出して壁をたたいて悔しがる大滝秀治さんは、70歳を超えてから緊張するようになった、それまでは不遜だったという。いいときと悪いときの波を受けとめられる体力に自信がない。将来的には博多に住みたい。
フィナーレは、北朝鮮のビデオを流しながらの全員のダンス。ビデオのテンションの高さになんとか対峙している。