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《2003.11月−15》

おもしろさの差はサービス精神の差
【Weekday漫才 (福岡吉本)】

構成:福岡吉本
26日(水) 18:30〜19:45 吉本ゴールデン劇場 1800円


 ゲストの中川家は圧倒的なおもしろさだ。
 福岡の芸人たちもそれなりにおもしろいのだが、やや浮き足立っているように見えた。中川家のおもしろさとの差は、結局はサービス精神の差だと思った。

 男ばかりの7組の漫才の競演だ。演じる時間は、中川家と華丸・大吉が20分、あとは5分づつ。全部で1時間15分という短いイベントだが、全体的にテンポがよくて満足した。

○アベドゥ
 暴走族の話。動きがあっていい。KC=声が違う、などという略語が今風に聞こえるが、多分かれらの造語だよね。

○どんぴしゃ
 高校生の自殺を止める話。乗りはいまひとつ。ツッコミとボケの食い違いが、計算なのかただ上手くいかないだけなのかわからない。

○IMASOKARI
 夢の話。ジョーズの話など聞かせるが、ひねりがもっと効けばさらにおもしろくなる。。

○どりあんず
 サムライブームの話で、殺陣でのやりとりで笑わせる。テンポがあるしゃべりだ。

○プー&ムー
 コンビの売りについての話。しゃべり→顔芸→動き→スピード漫才→落語→物まね→ロック と得意なものをあげてことごとく否定する転換の速さはいいが、突っ込み不足だ。

○華丸・大吉
 客の話のあと、物まね。話題もテレビのことが多い。それなりにおもしろいけれど、上野動物園に行った話など、話題としては常識的で、インパクトが弱い。20分をもたせることに神経がいっていて、一瞬一瞬に全力投球していないという印象。中川家を見たあとに感想を言えばこうなる。

○中川家
 前半は「金の斧、銀の斧」の話を、現代風にチェーンソーでやるバカバカしさがいい。後半は街での人の話で、礼二がやる吉野家の従業員の形態模写の動きの大きさとスピードが抜群におもしろい。しつこく話題を掘り下げ、一瞬の変わり身を勢いよく表現する。その切れ味はいい。さすが、いま一番人気のコンビだ。

 吉本ゴールデン劇場の公演は、いままで木曜日〜日曜日だったが、今回初めて水曜日の公演で「Weekday」と銘打たれている。
 立ち見が大勢で、超満員だった。


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