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《2003.11月−14》

控えめを知らない色鮮やかさ
【悠久の響き 雅楽 (筑紫楽所)】

構成:筑紫楽所
24日(月) 15:30〜17:00 アクロス福岡・シンフフォニーホール 3000円


 装束も楽器も色鮮やかで、それを見ているだけで楽しくなる。優雅な雅楽の世界を堪能した。

 30分近い遅刻で、弦楽の部の、盤渉調音取、白柱、朗詠「嘉辰」は聴かれず、越殿楽残楽三返の途中から聴いた。他の楽器が引いていき、和琴の調子が哀切に際立ってくる。左右におかれた3メートル以上もあろうかという太鼓が目を引く。

 後半は、舞楽の部。春庭花、蘭陵王、陪臚。

○春庭花
 衣冠・帯刀した女性4人の舞。若い女性の華やかさが匂う舞だ。春の喜びを舞う。
 ゆったりとした袖の振りと足の動きの形がいいが、ピリッとした緊張感がほしいところだ。約20分。

○蘭陵王
 優雅なのかグロテスクなのかわからないという面をつけた男性ひとりの舞。北斉の高長恭が周の大軍を打ち破った史実を讃えた曲。
 面は緑色で複雑に入り組んだ異相。オレンジ色の装束で刀はなし。大きな太鼓と拍子木のような木の打楽器にあわせて、リズミカルにダイナミックな上下動の多い舞を舞う。ラスト、テンポアップするが、しかしあくまでも優雅。20分弱。

○陪臚
 出陣の時などに舞われた勇壮な四人舞。オレンジ色の装束に鳥甲をかぶり、太刀を差し鉾と盾を持って舞う。互いにクロスする動き、太刀を交えるところ、鉾を使った舞などの、4人のフォーメーションが華麗だ。ただ、よけいな動きが混じっているような気はした。20分強。

 この筑紫楽所は、春日市にある正行寺の春日山雅楽御堂を本拠としている。福岡にはほかに、12月に博多座で公演する鎮西楽所など5つほどの雅楽の集団がある。
 この公演はきょう1ステージ。2階までほぼ満席だった。


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