身の丈にあわせて、矮小化してしまったという舞台だ。
登場するのはなぜか、世の中からあぶれたようなものすごくいいかげんな人たち。それらの役をわが身に引き寄せすぎた演技には、かなりイラつく。
白金の黄昏アパート。入居者は娘とその父とおじ、おばの4人。
管理人と兄弟がかって、海外旅行先で外国人に生活ダンスを教えた。その外国人3人が兄弟を訪ねてやってくる。娘が外国人のひとりと恋をして・・・。
ときどき工夫した演出などでオッ!と思うところはあっても、全体としてはストーリーも演出も演技も、どうしようもなく陳腐だ。
ストーリーは単純なうえに、手前勝手でメリハリはない。グループの対立と三角関係の果てに娘は死ぬのに、娘の婚約者は平然としている。果ては、婚約しなきゃよかったと悔やむ始末。娘と男の服毒死は、誰が仕組んで誰をだますためだったのか、対立がこうも弱くてはよくわからん。と思っていたら、駆け落ちのための狂言だったと、サッと身をかわす。
登場する人物はみな、かなり奇矯だ。そのような人物をそれが当然という扱いは、正直イヤな気分になる。
ポイントになっている「生活ダンス」というのは、何ということもないコミックダンスだが、「玉葱のダンス」は見せた。外国人の、それらしいイントネーションの博多ことばも笑わせが、そのあたりの工夫が単発で終わってしまう。
この舞台は、劇団青空連合柳橋の第6回公演で、きのうときょうで3ステージ。ほぼ満席だった。