有門正太郎プレゼンツ vol.3「ええじゃないか。」は、1本5分から10分の多彩なコント8本を一気に上演。
コントの質は様々でそれほど高くないが、役者のテンションの高さで狭い会場には熱気が溢れ、勢いのあるバカさが楽しめた。
「メディスーン」(作:穴迫信一)
最初の1本は日替わりコントで、健康診断に来た女性と医者のコント。作者の穴迫信一自身も出演している。
検眼なのに片目隠しで口を押さえたりと、ちょっとしたバカバカしさを勢い込んでやる、というところが、まぁおもしろい。
「結婚。認めてくれてもええじゃないか」(作:今浪祐介)
娘が連れてきた結婚相手の男は、父からは4人に見える。
セリフは洗練されている。個性的な4人が勝手に自己主張するドタバタで見せて、オチも笑える。
「SHINDO」(作:納谷真大)
後輩を家に連れてきたら、娘が予知能力を持つようになっていた。
オチは小咄によくあるやつだが、ま、いいか。
「TAKE ME」(作:田坂哲郎)
暴力団担当の2人の警官が、まじめな暴力団に新年あいさつに。そこに、組長のとんでもない子どもたちなどがゾロゾロと。
そのゾロゾロを、田中星児の「お弁当箱の歌」で引っ括って落とすまで、くだらなさ満載。
「ホルモン」(作:泊篤志)
このコント、観終わってからメモするの忘れてた。翌日になったらもう、題名からは内容が思い出せない。
果敢に逝ったホルモンを巡り「実はつきあってたの・・・」「あたしだって」の女達―とまで教えてもらっても、それでも思い出せないとは、トホホ。
笑ったのは確かなんだけど、内容をみごとに忘れている。それもありかな。
「サウナズ」(作:松居大悟)
サウナ(の入り方)検定の最終審査。その設定がバカバカしい。
何かよくわからないけどパワーだけはたっぷり、というコント。
「古典コント:ドン・キホーテ」(原作:ミゲル・デ・セルバンテス 脚本:多田淳之介)
題はやたら長いのだが、この感想では簡略化する。
これは、有門正太郎の一人芝居。色合いを変えて、ややしっとりとほろ苦く、ドン・キホーテの世界を垣間見せる。
「ヒーロー大百科」(作:有門正太郎)
悪者に襲われている女性のところに、続々と現れるヒーローたち。
そのヒーローたちのズッコケぶりが、バカバカしくて何とも楽しい。
まぁ、ムリヤリでも笑いに持っていこうとする、そのパワーがなかなかすごい。
コントの間のつなぎも、ダンスや歌や映像と、ドンドン前倒しに転がしていって、息抜く暇を与えない。
若手組が、キレがある演技でなかなかいい。
飛ぶ劇場の中心俳優で固めたベテラン組も悪くはないし、こんなのもあってもいいが、このごろシリアスな演技のすごいのを見てないような気がするなぁ。
この舞台は4月26日から5月1日まで9ステージ。狭い会場は満員だった。