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《2011.5月−10》

名舞台のすごさを、再確認
【 映像「夕鶴」 (演劇の映像を見る会)】

作・演出:木下順二
16日(月) 18:50〜20:50 福岡市立中央市民センター第3会議室 150円


 山本安英の会の「夕鶴」は、1972年に茂山千之丞の与ひょうで観ている。
 今回の上映は1969年上演の宇野重吉の与ひょう。この宇野重吉の与ひょうが絶品だった。
 演じ続けられて進化してきた「夕鶴」の、たぶん最高の舞台なのではないか。

 今回の参加者はいつもより多く、8人。
 少し早めに上映開始したので、45分ほど皆で話す時間があった。
 20歳前後の若い女性の演劇専門学校生2人が参加されたが、宇野重吉はむろん、息子の寺尾聡もご存じない。世代の違いを意識してしまった。

 古い映像なので白黒で画面も粗いが、舞台の息遣いは伝わってくる。
 全体のリズムがものすごくいいと感じるのは、戯曲のもつリズムを俳優がみごとに体現しているからだ。変わっていく状況がキッチリと伝わってくる。

 ほんとに、新劇とひとくくりにしてはいけない。新劇の秀作の持つ多様で豊かな表現は、見るべき多くのものを含んでいることがわかる映像だった。


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