福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ  前ページへ 次ページへ


《2015.1月−3》

多彩なコントをテンポよく
【DECORTE (鎖骨)】

作・演出:大迫旭洋・穴迫信一
8日(木)14:40〜15:35 甘棠館Show劇場 プレゼントチケット


 大迫旭洋と穴迫信一の2人だけによる11本のコントの一気上演は、多彩なコントをテンポよく演じていて大いに笑わせられた。

 “鎖骨”は大迫旭洋と穴迫信一によるユニットで、この公演は“鎖骨 第一回 単独ライブ”と銘打たれている。自作のコントを2人だけで演じるというほんとに奮闘公演で、2人の勢いが顕れた公演だった。

01.winter
 2人による漫才。草履取りの秀吉役(大迫)がABCマートやザ・シューズの店員の態度になってしまうのがおもしろい。

02.you?
 小中高といっしょだったという男2人が思い出を語るが、話がかみ合わない。非常に具体的なそのかみ合わなさとオチで笑わせる。

03.楽屋
 天草出身のプロレスラーの楽屋インタビュー。天草弁も含めてプロレスラーの屈折した性格づけで笑わせる。アナウンサーの大迫が質問だけをもういちど繰り返してプロレスラーの穴迫がいじるというものおもしろい。

04.ビュッフェの店
 ビュッフェの店に予約を入れる男(穴迫)と店の男(大迫)とのやりとりの電話での会話。予約を入れる男が手前勝手に広げる話がバカバカしい。

05.conversation
 チカ(穴迫)とテツ(大迫)が互いに短い言葉をつないで運気が上がるおまじないの短い話。それをノートを広げながら、福岡市地下鉄のいろいろを折り込んだことがわかるように繰り返し、さらに数字での読み替えができることを繰り返す。テンポで見せる。

06.start
 男2人の女性を喜ばせ近づくためのプレゼント談義。いろいろ話が飛びすぎてまとまらないし、どうでもいいことをよく知っててよくぞいろいろ入れ込むわ、という感じだが、これもテンポで見せる。

07.GGK
 運動会の服装の2人のジェスチャーゲーム。正解の幅が広くてほとんど正解だが、途中になかなか解けないのが挿入されたり。短いコントだがどっか不条理な雰囲気が漂う。

08.rule
 ゲームする男(大迫)と食べる男(穴迫)だが、いずれもエア。そのあと照明いじりや音響いじりなどがあって、どこかメタシアターの雰囲気もある。

09.inside
 財布が落ちてるところに遭遇した男への“天使”と“悪魔”の声を、2人が5回ほども入れ替わって演じる。繰り返しのおもしろさを楽しむ趣向だ。

10.decorte
 女性の父親(穴迫)に結婚の承諾をもらいに来た男(大迫)。すぐにあきらめて帰ろうとする男に父親が“昭和の流儀”を教え込むところで笑わせる。

bonus trash.Mr.Johnny
 5分間の休憩の後、ボツネタから選んで毎公演ネタを変えてコント1つを演じるbonus trash。男(穴迫)と女(大迫)とのバースデイ・プレゼント話。ボツネタだと思って観るせいもあるかもしれないが、やや突込みが弱いか。

 取り上げる話題の幅は広い。コントは、最後にドンと落とすのではなくて途中小まめに落とし続けるというスタイルで、それはそれでおもしろい。
 コント毎に衣装を替える。ほとんど噛まないところからみてケイコも十分なされていて、ていねいに作り上げられた舞台で、やや内輪向けという印象は残ったが楽しめた。

 この公演はきょうとあすで5ステージ。25席ほどの客席は満席だった。


福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ  前ページへ 次ページへ