梅棒のメンバー8人に加え多彩なゲストを迎えての20人の個性的な出演者が踊りまくって弾けて、飽きさせずに楽しめる舞台だった。
内気なヤマダは、歌と踊り好きなリサと、やんちゃなオグリだけが幼なじみ。高校生となった今、荒れて暴走族にいるオグリ、アイドルを目指すリサ、内気なままのヤマダの3人の青春が、意外な形で交錯する。
はじめからガツンとはいかない。ミカン爺が登場して客いじりをしながら前説などを挿んで子どもの時の3人が描かれていく。そんな子ども時代の3人のダンスもいいが、そのあとに時間は現在に進んで、オグリのいる暴走族が真っ赤なツナギで登場して披露するダイナミックなダンスは楽しい。それが終ってのオープニング映像では出演者一人ひとりをかっこよく紹介していく。
Jポップの20ほどの曲に合わせてストーリーは展開される。曲は歌詞がしっかりと聴き取れるオーソドックスなもので、ダンスは曲に合わせていろいろなフォーメーションで踊られる。3人組アイドル“ぷらちな娘”をめぐってのドタバタの中で、幼なじみの3人は騒動に巻き込まれて再会して、“ぷらちな娘”を守り盛り上げることになる。
1曲1場面という形で展開していて、それぞれの場面はバトルや追っかけというアクションからしっとりと見せる場面まで多彩で、それがスピーディな心地よいテンポで進行していく。1曲のなかでマイムなどでストーリーをグイと進めたり転換させたりすることで、けっこうめんどうな話をうまく進めていく。
いろんなフォーメーションを彩るダンスのキレはとてもいい。6、7人で踊るときも10人以上で踊るときも、全体の統一を取りながらも、それぞれの役の個性をキッチリと表現するするような緻密な振付がなされている。
女装した男性3人による“ぷらちな娘”が、Perfumeとキャンディーズを足して2.5で割ったような色っぽさで、お別れコンサートのシーンなどキュンとなる。幼なじみの3人の話がどっかにすっ飛んで行ってしまった感じだが、それもありか。
前説やカーテンコールまでもパフォーマンスとして見せ尽くそうというサービス精神で全編が満たされていて、そのことが熱気となって会場を覆っている。この舞台は、Legend Tokyo chapter.2 という振付コンテストで2012年に日本一となった作品の劇場完全版。ストーリーに乗ったこんなダンスパフォーマンスも楽しい。
この舞台は福岡ではきのうときょうで3ステージ。満席だった。