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《2015.5月−15》

やや単調な印象
【紅劇団5月博多新劇座公演 (紅劇団)】

構成:紅劇団
29日(金)18:00〜21:15 博多新劇座 1,800円


 若い役者が生きのいい舞台を見せてはくれるが、役者の個性と踊りも似ていて、工夫はされているが全体的にやや単調な印象があった。

 紅劇団は博多新劇座のオーナーだから年1回は博多新劇座での公演がある。今年は12月にも博多新劇座での公演があるようだから年2回だ。
 前々回観たのは紅大介が座長になりたてのときだった。このときは大介の座長襲名に不満な花形役者らが辞めたばかりで、合同公演に近いくらいの客演を迎えてしのいでいた。大介はまだ若すぎて芸も未熟で座長は荷が重いと見えた。
 前回は紅大介が失踪中で、大介の父の紅あきらが座長復帰していた。このときも役者が足りずに客演でしのいでいた。
 今回の公演は、紅大介の総座長、紅秀吉の座長と、2人の襲名披露公演だ。かって子役だった子が役者になって人数は増えたが、若い役者が多く劇団は発展途上だ。

 まず「顔見せミニショー」が5演目で約20分。
 大介・秀吉と女優3人、新太郎、友也、後見の見城たかし、そしてラストが大介と女優2人。オープニングらしくテンポいい曲でが多く軽やかに踊る。紅友也が若くてかっこいいので10代かと思ったら、大介総座長より年長の29歳だった。

 次にお芝居「戻り橋」が約50分。
 同魂会会長・紅あきら主演の母子再会もの。ほとんどが共演の大倉扇雀との2人だけの芝居で、開幕10分で結末はわかってしまい見せ場に乏しい。あきらのマイクの感度を上げていて逆に聞きづらいが、のどを痛めているということだった。

 最後に「踊りと唄のグランドショー」が16演目で約90分。
 あきら、大介、秀吉の“3人祭り”で、女形や若衆姿で3人が入れ替わり立ち代り登場して、他のメンバーは盛り上げ役に徹している。1演目はほとんど2曲踊る。ロックの曲で群舞をしたりとバラエティに富んでいる。早替わりに近いような衣装替えの手際のよさだ。
 大介の女形は美女ではないが、こんな女性いるよね、というリアルな感じがあった。3人の魅力は楽しめたが、もうちょっと友也や女優の踊りを観たい気もした。

 この公演は1ヶ月毎日昼と夜の公演。24日には長谷川法世さんの監修で川上音二郎をテーマにしたお芝居の上演があったらしいが観られなかった。


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