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《2001.7月−4》

あんみつ姫は楽しい
【あんみつ姫とひこぼし(あんみつ姫・博多歌舞伎)】

作・演出:とまと
7日(土) 16:00〜17:10 甘棠館劇場 入場料立見\2,000


 オカマシアターパブであるあんみつ姫の唐人町甘棠館劇場公演だ。西通りと移転後の親富孝通りの店にはかって2〜3回行ったことがあるが、ショーのレベルが高く楽しめる。

 ショーを観るだけが目的なので、日曜日午後6時からのドリンク・接待なしの\3,000に行きたいと思っていたが、まだ果たしていない。それが今回、唐人町商店街とタイアップしての公演を行うということなので、どんなステージになるのか見てみたくて出かけてみた。

 せまい劇場は商店街関係のおばさんたちで超満員だ。今回の客の7割の人はあんみつ姫初体験だとのことだが、それでも乗りのいい人たちで、商店街は七夕祭りのイベント中でもあり大いに盛り上がった。

 ステージは今回公演のための特別ヴァージョンかと期待したが、お店のステージをほぼそのままのようだった。前説トーク約10分、ショー(レビュー、コント等)40分、後説トーク10分といった構成で、ショーの40分はスピーディな展開で息つく暇もないほどだ。

 コントはこんなのだ。人妻の浮気を押さえた探偵とその人妻とのコントで、とまとママ演じる人妻が言う「何が目的?お金?それとも私の体?そうきっと体ね!そう、そんなにほしいの!そう、それならあげるわ!!」と言ってパッと上着をとると下には体中に健康飲料「ダカラ」の空き缶をぶら下げている!。

 ショーは花魁ショー風、宝塚風レビュー、SF風のものがいくつも続きそれなりにどぎついのだが、トマトママのセンスか股旅ものや演歌っぽいのはない。
 とまとママは、ショーの後半をソロで踊りその間に他の人が準備して次のショーに即変わり、その次のショーの後半にはママは衣装を変えて出てくるというスピードだ。
 短いコントの時でも衣装はきちんとしていて手抜きはしない。その派手な衣装はすべてママの手作りという。
 コントのときにやられることが多い客いじりも、お店でやるのと同じようによく客を見ており、笑いのつぼははずさない。

 照明と音響のレベルが高いのも特筆に価する。照明も音響も派手だが、場面にあわせた設計がていねいになされており、また転換もあざやかで小気味がいい。それらが自在に操られて舞台を支えている。
それでもレビューがお店に比べやや迫力がないかなと思ったのは、お店の舞台にはレビューのときそこから登場する宝塚風の階段があるが、ここではそれが使われていないためかと思う。

 演じるのは20才前半を中心とする10人くらいのオカマさん達だがけっこうきれいで芸達者だ。ただ今回の出演者のうち2年半ほど前に見た時に出演していたのはとまとママだけのようだったから、メンバーの新陳代謝は激しいようだ。
 このようなステージを1日3回(土曜日は4回)ひと月続けるわけだから、ひと月のステージ数は博多座やシティ劇場より圧倒的に多い。すべてオリジナルというのもいい。

 何も考えずに笑いたいとき、お店のほうにもときどき行くことにしようと思う。


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