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《2001.7月−12》

エネルギー溢れるダンス
【A列車で行こう (コンドルズ)】

構成・映像・振付:近藤良平
27日(金)19:00 イムズホール 3000円


 在京のダンスの劇団だ。初めて観た。
 この作品は「新世紀東アジア縦断ツアー001」となっていて、国内3ヶ所の公演のあと、台北、香港、ジャカルタ、ソウルを廻る。このツアーの初日を観たことになる。福岡公演は「イムズパフォーミングアーツシリーズ01 VOL1」と銘打たれていて、10月にVOL2、VOL3が公演される。

 「A列車で行こう」は、ダンスと映像とコントと人形劇を組み合わせたパフォーマンスである。2時間近い公演だから途中少したるむところはあったが、13人の男性の出演者の個性は十分発揮され、メリハリもあり楽しめた。

 ダンスはわざわざ学生服姿で踊るものが多いが、洗練された美しさを狙ったものではない。「レニ・パッソ」や「パパ・タラマフラ」に比べれば荒っぽくて、エネルギーが前面に押し出されている。
 群舞は各人の個性が残りながらも、照明や音楽のセンスのよさもあって全体的な統一は一応保たれている。その微妙なところが持ち味だ。

 初めと途中2、3回が挿入される映像も、町や山野でメンバーを撮影したものだが、生きのよい演出で楽しんだ。白けることが多いこの種の映像とは一味違う表現レベルだ。
 生徒と駆け落ちした先生の車内コントも、糸操り人形劇も、一見ふざけているように見えながら、実は十分計算されていねいに作られていて笑わせる。

 福岡には日本の主流の演劇が来ないでキワ物ばかりじゃないかという不満を抱いている。この作品をキワ物というわけではないが、東京にいたら見に行くことのないであろうこのような公演が面白いとえらく得したような気になる。


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