前半(第1幕、第2幕)はオペラのペースに慣れないせいもあってやや退屈したが、後半(第3幕、第4幕)はオペラの楽しさとすごさを味わった。
一流の歌手に、ローマ歌劇場から借りてきたというすばらしい装置で、見応えはありすぎるほどだ。
歌詞を歌う中で状況が変わるという、歌詞がドラマを孕んでいる。その簡潔にして力強い様はちょうどギリシャ悲劇の台詞のようだ。
それに音楽が加わり、これでもかといわんばかりの表現の厚さだ。そのボリュームにまず圧倒されてしまう。
実際の歴史に材を取ったシラーの原作の持つドラマとしての骨太さをベースに、ねじれてしまった愛がもたらす悲劇を描いていく。
歌詞をみごとにふくらます音楽が、ドラマの悲劇性をさらに強調する。ドンと腹に響くような迫力だ。
1500円のZ席確保のために2時間近く並んだ。席は4階のバルコニー席で上から覗き込むようにして見る。
オペラは各場の終わりにカーテンコールがあったり、観客もドレスの人が多いし、日頃の観劇と違うのもけっこう面白かった。