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《2001.12月−11》

振幅の大きさが魅力
【バババの爆太郎〜十八番勝負〜 (ハリケェンディスコ)】

作・演出:江崎穣
15日(土) 19:00〜20:30 シアターポケット 1300円


 醒めたところから突然めくるめくような世界へ、俳優が目の前でのあっという間に変幻するその振幅の大きさが魅力だ。

 おどろおどろしいところに目を奪われてしまい、何で十八番勝負だっけ?という感じだが、おどろおどろしいのは表現形態だけで内容は実にさっぱりしている。

 延々と続く正々堂々の斬りあいだ。意固地な権力争いや男女関係などのよけいなものが何もない。刀の、肉体のぶつかり合いだけだ。しかも十八番勝負が終ったからといってどうということもないという徹底ぶりだ。

 こういう形でしか表現できない情念は確かにあるし、そのような表現にこだわってもいいだろう。
 しかし、この日の昼間観たPA!ZOO!と同様、2回目になると初めて観たときのような衝撃がないのはいたししかたないか。
 もう少しパターンを変えて新味を出してもいいような気もする。


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