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《2002.1月−6》

玄海竜二がもっと見たいよぉ!
【葵好次郎劇団新春公演 (博多新劇座)】

作・演出:葵好次郎劇団
22日(火) 18:00〜21:30 博多新劇座 1700円+指定席料300円


 きょう特別出演の玄海竜二を見たくて、仕事帰りに葵好次郎劇団新春公演を博多新劇座に観に行ったら、背広にネクタイは私だけで目立ってしょうがない。
 観客は中高年が中心で、ここでは私もまだ若い方だ。

 玄海竜二は最もマスコミに登場する大衆演劇人ではないだろうか。20年くらい前に嘉穂劇場で行われた第1回全国座長大会でつとめた主役の演技は、NHK特集のビデオで見ることができる。このごろは津川雅彦との親交でも知られる。九州演劇協会の会長という似つかわしくない役職もある。
 熊本にはけっこう長く住んでいたのに、片岡演劇道場には行ったことがない。九州各地での座長大会も観たことがない。だから玄海竜二は見たことがなかった。

 きょうは、お芝居「お祭り半次郎」の玄さんという役を演じ、舞踊ショーで「花と龍」を踊った。
 「お祭り半次郎」は題名に似ず仇討ちの話だ。父を殺した仇を捜す弟が姉とめぐりあったら、姉は捜す仇と夫婦になっていた。その弟は、財布を無くしたため食い逃げとして番所に連れて行かれようとしているところが舞台への登場シーンだが、番所に連れて行こうとしている食い物屋のおやじ・玄さんが玄海竜二の役だ。

 何とも大衆演劇らしくない、柔軟で現代的な演技だ。目を悪くした弟やそれを助ける仇・半次郎との軽妙なやりとりで、貧乏な食い物屋のがんこおやじをみごとに演じる。いい意味のリアリズム演技だ。
 驚くのは、きょう熊本で午後3時半の終演まで舞台をつとめてから来たということで、事前に打合せたのはシチュエーションだけだという。だから台詞はみんなアドリブというから、演者としてだけではなく即妙で話をふくらます台本作者としてもすごい。びっくりしてしまった。

 「花と龍」の踊りはオーソドックスだが、表情がよく惹きつけられる。
 ちょっと出番が少ないのが不満だが、特別出演だからしかたないか。じっくり観るなら、毎日出演している熊本の片岡演劇道場まで行くしかないだろう。
 葵好次郎劇団には全然ふれられなかった。ごめん。


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