初めて観た西南学院大学演劇部公演は、オリジナル性が高く、演技もキビキビしていて楽しめた。
天神に、「天神アプリシエ」という原生林をコンセプトにしたショッピングモールができ、開店イベントとして「鬼ごっこゲーム」すなわち閉店まで捕まらなかった人には1000万円進呈という趣向だ。
誰が残るだろうという興味で引っ張っていくうまい構成だ。
残った6人の個性はうまく描き分けられている。
バラバラだった6人が会って、追跡隊員が落としたインカムを手に入れ、そこからの情報を使って途中までうまく逃げおおせる。
追う側と追われる側の駆け引きや、人物の個性の絡み合いをうまくストーリーに組み込んでいる。
人物はダイナミックに動き回り、舞台は生き生きとしている。
結局最後に残ったのは、目的と手段を逆転させてゲームそのものを楽しもうとした#9だったが、しかし彼女はゲームからもスピンアウトしてしてモール外に姿を消してしまう。
そのような結末が納得させられるほどよく書き込まれていた。
大学演劇を観るたびに、それがやや硬くるしく、前衛的で、薄っぺらと思っていた私の認識違いを思い知らされる。私個人としては観るのはオリジナルに限らせてもらうことにはするが、観つづける価値はあると思うし、もっと一般客が増えてもいいと思う。