あまり大きなイベントではないが、上質のパフォーマンスだ。出演者の表現力は高く楽しめた。
途中30分の休憩をはさんだ二部構成だ。第二部で kotodama としていくつかの和歌が音楽とともに朗詠されるほかは言葉での説明はないから、自分が感じたイメージでパフォーマンスの印象をまとめる。
第一部は約30分のパフォーマンスで、テーマは「絶望」。逃げ場なしの状況がもたらす絶望が、激しい狂気のごときダンスとエレキギターによるキーキー音で表される。
しかし途中からギターも変えてやさしい音楽となり、ダンスも静かでゆったりとしたものになる。絶望からの再生を通り、その先のやすらぎに至ってゆっくりと終わる。
第二部は約20分のパフォーマンスで、テーマは「恋」。浮き立つような恋から始まり、その終わりとともに孤独にのたうちまわる様を、ギターと kotodama (カリンバ+和歌)に加え途中からバンジョーとトランペットも加わって哀切に表現する。
恋と孤独の落差を、ダンスは体全体で表現していた。
峰尾かおりのダンスは表現の幅が大きい。体そのものの表情が豊かだ。
吉川達也のギターは、こんな使い方もあるのかとびっくりした。
クロキカオリの kotodama は、カリンバの軽さとうたいあげる和歌の対比がおもしろく、聴かせる。
薬院の IAF SHOP で観客は30人ほどだが、ほとんど関係者のように見えた。関係者に独占させておくのはもったいない。せめて シティ情報ふくおか に載せるなどもう少しPRしてもいい。
開演が50分遅れというのは、かなり待ち長かった。