狂言の大蔵流・福岡大蔵会主催の「福岡狂言の集い」に茂山忠三郎師が来演されるので観にいって、「節分」と「土筆」の2番を観た。
「節分」は、人の好い鬼(河原康生)が女(茂山良暢)に好意をもつが、女にからいたぶられるという話。鬼は女の言うままにして宝物の隠れ笠と隠れ蓑をだまし取られ、あげく豆を投げつけられて追っ払われる。
みごとな面と豪奢な衣装の鬼が女をほめて擦り寄るが、もちろん好意は通じずやっつけられてしまうところに、何ともいえない鬼の寂寥感が表れていた。
「土筆」は、某1(田口俊英)が某2(茂山忠三郎)を誘って遊山に行く。途中で土筆の群生を見つけたふたりは夢中で摘むが、某1は知ったかぶりの中途半端な土筆の和歌を口にし、その元歌を某2に見透かされてからかわれる。
次に芍薬の群生を見つけ、今度は某2が知ったかぶりの和歌を口にして、某1からからかわれる。そのけなしあいの面白さで見せるが、果てはふたりは相撲で決着をつける。
茂山忠三郎師はほんとに久しぶりに観る。軽妙な演技で楽しめる。1番だけなのが物足りないが、入場無料だからぜいたくは言えない。
「福岡狂言の集い」は正午から5時まで10番の狂言と小舞や小謡が演じられる。その最後の2番と附祝言を観た。
客席は3割ほどの入りだった。