この番外公演、メンバーの個人技を楽しく見せてやろうという公演で、気楽に見られてそれなりに楽しめる。
元締めが殺され、暗闇の仕事人である5人のAMA(尼、海女、売女、アマゾネス、アマチュア)がその犯人を探す。
軽快な映像でスタートし、それぞれのAMAへの召集などテンポよく見せる。むしろ映像の方が生き生きとしているくらいだ。
結局、犯人とおぼしき人物をやっつけたあとでそれが間違いだったとわかる。
「楽しんでやっているんだから、硬いこというなよ!」といわれそうだが、面白さがそれなりでパンチ不足なのはやっぱり気になる。何でだ?とちょっと考えてみる。
まず、状況設定の単純さとひねりのなさがが気になる。
仕事人というテレビ時代劇からの借用については、5人のAMAというアイディアがいいので許そう。しかし、単純すぎる設定と単純すぎるストーリーで、せっかくの人物が動きようがなく空回り気味になった。思い入れを描くわけでもなく、徹底的にパフォーマンスをやるわけでもなく、なんとも中途半端だ。
ひねりのなさもテンションを下げている。バストにこだわる売女など常識的でまだインパクトが弱い。スピード狂の尼とか、潔癖症の売女とか、菜食主義のアマゾネスとか、もうひとひねりほしい。それらが互いに関係したりストーリーにからむようになれば、作品の構成ももう少し充実するかも知れない。
つぎに、ギャグの質の悪さだ。
アマゾネスがタクシーでアマゾンへ帰ってしまった、など少しは笑えたが、質のいいギャグは少ない。
このような作品で俳優が大げさに力いっぱいの演技をするときは用心したがいい。ギャグの切れ味の悪さはそんなものではカバーできない。さりげない、すっとぼけた演技でぐっと観客をひきつけるような練り上げが不足していると思う。要は知性不足だ。
結論としては、アイディアの質とボリュームがいま一歩ということだろう。ただ本公演と違ったこのような公演は続けてほしいとは思う。
初日を観たが、満席だった。