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《2002.9月−12》

アイディアたっぷりの ○ ミュージカル
【ピアニャン (道化)】

原作:小川英子 脚本:中村芳子 演出:熊井宏之
22日(日) 10:30〜11:55 少年文化会館 無料


 博多の子ネコを主役にした本格的なミュージカルで、アイディアたっぷりでまったく飽きさせない。劇団道化の公演は初めてだが、大いに楽しんだ。

 飼い主の東京転勤で東京に来たが、社宅においてもらえず家出してノラネコになる話だ。博多弁しかしゃべらない子ネコだから、ノラになったはいいが、しごと探しで苦労するところなど笑わせる。

 アイディアはいっぱいだ。
 舞台中央に回り舞台があり、これはドーナツ状の外側だけ回転するようになっている。場面転換はむろん、追いかけっこなどに効果的に使われる。下手には蛍光灯の街灯。夜のシーンになると明かりがつくのがなぜか新鮮に映る。
 しごと探しでは、採用試験がクイズだったり、テレビのスター誕生でスターをめざしたりとアイディアたっぷりで楽しませる。
 ノラの「太猫」が女性ジャズボーカリスト風だと思っていたら、ジャズアレンジのナンバーを堂々と歌って聴かせる。そのように、役柄もナンバーも幅を広げる工夫がされている。

 多くの役を演じる10人弱の俳優たちは、演技も歌も安心して見ていられるレベルだ。ほぼ90分の上演時間で、見応えたっぷりの公演だった。

 この公演は少年文化会館の自主事業で入場は無料。ほとんどが親子連れで、7割ほどの入りだった。


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