*** 推 敲 中 ***
天国に行きそびれた幽霊の話で、こんなの散々観てきたぜ!と言いたいようなテーマだが、人物の思いをていねいに描いていて、小ぶりな公演ながら見せる。
太一の恋人だった梨架は成仏できなくて太一のところに同居している。そこに太一は後輩の女性・山口を連れてくる。
梨架のやきもちが高じ、山口の体に降霊したり、太一も山口も殺したいと言ったりと梨架の思いは荒れ狂う。が、それは太一に忘れられるのがこわいためだった。
単純だけど一生懸命さが伝わってくる舞台だ。だかそれがすべてという感じで、太一の絵とか、超常現象研究会の先輩による交霊とかの見せ場はあるが少なく、工夫の余地がある。凡庸な会話も興ざめだ。梨架の死因が超常現象研究会で生体離脱に失敗したというのもちょっとね。
俳優は達者というわけではないが、ていねいに演じていて思いは伝わる。客演の吉武真紀のキャラクタが楽しい。
この公演は2ステージ。20人くらいの観客だった(ような気がする←メモしてなかった)。