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《2003.8月−1》

ややちぐはぐなところが気にはなる
【劇団飛翔・劇団真芸座8月合同公演 (博多新劇座)】

構成:博多新劇座
2日(土) 18:00〜21:15 博多新劇座 1700円


 7月19日の博多駅周辺の水害で大きな被害を受けた博多新劇座が再開したので、様子を見に行った。劇場前にはまだ泥の塊があったりするが、中に入ったら客席や舞台は水に浸かったとは思えないほどきれいになっていた。
 ただ、土曜日の夜公演というのに開始時は客は三分の一ほどの入りで、かって見たことのないほど閑散とした客席はさびしい。これも水害の影響なのだろう。やはりいっぱいの観客でないとおもしろくない。

 劇団飛翔と劇団真芸座の合同公演で、恋瀬川翔炎と哀川昇の両座長が見せる。
 若手では恋瀬川翔二郎がよく、真芸座の女優たちも突っ込んだおもしろい演技を見せる。

 オープニングの「顔見世ミニショー」は5つの踊り。
 トップの恋瀬川翔二郎は小太りだがまあまあの二枚目で、高く飛び上がったりとダイナミックなところもあるが、やや間延びしすぎだ。哀川昇は、すっきりとした男ぶりがいい。恋瀬川翔炎は裕次郎メドレーでけっこう長く踊ってくれたが、手抜き気味に見えた。

 お芝居は「意地悪ばあさん割れどっくり」。
 大工の棟梁の家で、姑が嫁をいびり出す。その嫁を棟梁が迎えに行く、というだけの話で1時間10分は少し長い。
 その多くが姑(翔炎)と嫁とのやりとりだが、本気の暗さはない。自意識過剰だが愛嬌のある姑で、だから落ちつくところに落としたという結末だ。棟梁の哀川昇がいなせでかっこいい。

 責任者・長谷川信夫による口上のあと物販。その後休憩10分。
 最後は「グランドショー豪華夢舞踊」。13の踊りで1時間15分。
 恋瀬川翔炎の女形はやや冷たい感じで、ゾクゾクするほどではないにしてもなかなかいい。哀川昇の女形は端正ながら色気たっぷりだ。長谷川信夫は歌も踊りもきっちりと見せるが、しゃべりはいまひとつ。きょうは恋瀬川翔二郎の女形はなし。見たかった。
 ラストはロックの曲に乗せた全員のステージ。照明がいい。演出の力が出たステージだった。

 終演近くには6割くらいまでの入りになったが、満席に程遠いのが相変わらず気になった。


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