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《2003.8月−7》

空転 ― パワー感じられず
【スターダスト・メモリー (コンドルズ)】

構成・映像・振付:近藤良平
16日(土) 19:05〜21:00 イムズホール 3300円


 昨年のツアーを観なかったので2年ぶりに観るコンドルズのステージは、そのスタイルに慣れてきたのもあるかもしれないが、アイディアに乏しくて、残念ながらコンドルズらしいエネルギーがなくて不発だった。失望した。

 もちろんダンス中心だが、人形劇や少し長めのコント風のステージなど10演目以上が並ぶ。
 全体的に単調な印象しか残らない。特にダンスに勢いがなく、このチームらしいグイグイと突っ込んでくる、あるいは思いもかけないところを激しくえぐるような表現が乏しいし、遊びも中途半端で空回りしている。

 ダンスについては、気になるのが、みんな同じパターンの表現に見える新しさのなさだが、それは振付にも踊りにも原因がある。
 暗い照明のなかでの黒い学生服でのダンスだから目立ちにくいが、そのような目立たない食い足りないシーンが多いし、少人数のダンスも個々人のダンスに無駄な動きが多くて同じベクトルに向かわず、チグハグで、ステージが満たされない。かろうじて全員のダンスでやっとそれらしい迫力が出ていたが、そのようなシーンはわずかだ。

 オープニングはじめ何回か挿入される映像も、海外公演の模様が自慢げに映っていたりで白けるし、テニスボールの瞬間移動なども身を乗り出すほどのものではない。人形劇も変ななれあいのためによそごととしか思えない。
 もともとこんなもんじゃないはずだ。この雑でふにゃふにゃした舞台はどうしたことだろう。

 この公演はきょうとあすで3ステージ。きょうのステージは国内ツアーの最初のステージということもあって、それでおかしかったのだろうか。
 満員だった。


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