この九円芝居、昨年はテントの場所がわからずに挫折。ことしやっと観られたが、なにやかやと用事があって、6本のうち1本だけしか観られなかった。その1本がなかなかおもしろかった。
売れない漫才コンビの話。
超人部隊 という名の漫才コンビが、売れるために必死で模索する。大学演劇部でエチュードを練習し、まず自分が楽しくないとお客も楽しめない、ことを悟る。
漫才についていろいろ試みをやっているのが楽しめる。
はじめに漫才。だが、あまりおもしろくない。そして反省。新スタイルとして、リアルリアクションという、ボケのネタをツッコミには明かさず、ツッコミの生の反応を楽しむ趣向を考え、練習のために大濠公園に行く。その試行錯誤を、実際に演じてみせるのがいい。ネタはそれなりのおもしろさだが、こんな漫才コンビいるよな、と思わせる。
大濠公園で九大演劇部員のアベックと会って、部室でのエチュードの練習に楽しさのなかで掴む”素直な笑い”は、極端な状況をうまく作って笑わせる。
ラストの漫才。はじめの漫才とは当然変わっている。それがわかる。漫才に賭ける思いも変わっている。それもわかる。
大テントは六本松キャンパスのサークル棟北側に立てられている。座席は畳敷きのさじきがゆるい階段状になっている。舞台の壁は黒幕で覆われ、俳優たちはその黒幕を押し開けて舞台に出入りする。
俳優は個性的で、漫才コンビのふたりは適役で、漫才の息も合っている。
この舞台は、2003九州大学演劇部大テント公演の2つめの作品。21日から23日の間に3ステージが上演される。
満員で、40人くらいの観客だった。