E−1グランプリのオーディションは、出場劇団どうしの和気あいあいとした、オーディションらしくない雰囲気が楽しい。芝居好きが集まって、みんないっしょに騒いでいるといった雰囲気なのだ。いちおう審査員としての参加だが、その場にいることが、ほんとうれしい気分。非公開なのがもったいないくらいだ。
このオーディションは7組の出場。当初、ドラマ部門とコント部門に分かれての審査予定だったが、コント部門の応募が少なく、みんないっしょのオーディションとなった。
全体の印象としては、実力派の劇団がそろって、短い作品ながら見応えがあった。前回出場の劇団も多く、様子がわかってきたこともあるかと思う。
出場の各ユニットの感想をまとめる。(題名、作・演出者名は、まちがっているかもしれません)
○劇団きらら 「朗読劇 おいしい」(作・演出:池田美樹)
「声の力」にこだわるこの劇団の朗読劇は、出演者ふたりの声の表情が楽しい。おいしさを知らない人喰い狐に、女の子が料理を作っておいしさをわからせる、という話。もうわかりすぎるくらいなのだが、やや説明過剰なところで、素直で線が細いと感じさせられたりもする。ぜいたくを言えば、若干の割り切れなさを残したり、凄みのある言葉が混じってもいいような気はする。上演時間10分。
○みにてつ 「同窓会」(作・演出:前原寿代)
劇団銀河鉄道からの女性だけのユニット。廃校ペンションでの同窓会で起こる事件を描いたシリアスサスペンスで、参加者のひとり・ショウコがいなくなった・・・。なんか、先が気になる。出演の女性5人は、それぞれの役の個性をちゃんと演じていた。上演時間8分。
○種子島☆宇宙センター 「宇宙からの生還」(作・演出:前原寿代)
地球に帰還する宇宙船の中。男性2人、女性3人のクルーのやりとりがなんとも日常的なのを、リアルに表現していておもしろい。と、そこに流星群! どうなる?と興味をつなぐ。劇団銀河鉄道からのユニット。上演時間6分。
○劇団KnockOutシアター 「からすのお面」 (作・演出:グッキーあんとく
)
北島パヤを鍛える星影先生。コップの水を飲む演技の練習で、床にこぼれた水をすするパヤを見て、先生が「恐ろしい!」などと、かなりばかばかしいけれど、パロディがちゃんと原作の批評になっているところがおもしろい。上演時間4分。
審査員の講評のあと、事務局から今後の進め方の説明があった。
このあと、ぽんプラザホールでの九州大会、西鉄ホールでの決勝戦に、きょう出場の全ユニットが出演できる。ことしは全国決勝大会はないが、優秀2ユニットは全国の選抜ユニットとの公演に参加できる。
参加者はイベント終了後も、他のユニットと話しこんであったりと、演劇人の交流の場となっている。そういう面で活性化する効果も、けっこうありそうだ。