障害のある人とない人が表現でつながる場として結成された「福岡舞台計画」の初公演は、イベントとして楽しかった。
昨年8月に結成されたこの集団が、いま公演を打つことに挑む、そのことを大いにほめたい。だから、性急に舞台成果を求めてもしかたがないし、表現者が応援のゲスト主体となるのもしかたない。
ダウン症の子どもや家族、精神病の人々が、舞踏家などとともに舞台を作り上げる。
母子で舞台で踊ること、それを見せること、それができる母子の喜びがしみじみと伝わってくる。
ただ、それだけではとてももたないから、映像や、楽器を使ったりなどの演出の工夫がある。小品をつないで、祝祭的な雰囲気を作り上げた。
メインの役はゲストが担当する。
ウェディングドレスの原田伸雄が踊って倒れ、みんながそれを囲む。しばらくして現われたのは、ウェディングドレスの女の子。そしてかわいい結婚式。
そこに、何とも軽薄なメイクの原田が、かなりハチャメチャなダンスで現れる。無理やり盛り上げようとするように見えたが、祝祭ならばしかたないか。
障害者の方の劇団としては、大阪の劇団態変がある。この劇団は、障害者あるいは障害そのものを、ほとんど即物的に舞台に乗せる。
「福岡舞台計画」は、そのような行きかたはたぶん取らないだろう。でも、障害者ということでではなく、その表現で見せる、いいステージを作ってほしい。
この公演は、1ステージ。超満員だった。