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《2004.3月−14》

軽やかさが、魅力
【サンジョルティの日 (ぎゃ。)】

作:中村雪絵 演出:古賀つばさ
28日(日) 14:05〜15:45 アトリエ戯座 800円


 淡彩の絵を見るような軽やかさが魅力の舞台だ。
 それは全体的に、軽く発想してやってのけるというしなやかさを、さりげない演技のおもしろさで見せる。
 ただ、ちょっとさりげなさ過ぎるところもあって、大事なところを見過ごしてしまうのがややつらい。

 サンジョルディの日(4月23日)は、本を贈る日。
 3人の女性から本を贈られた良彦。贈った本には、当然に女性の思いが込められている。その贈られた3冊の本が、オムニバスの舞台として上演されるという趣向だ。

『窪んだ壁』(from 阿刀田高)
 マザコンの松彦をめぐる嫁姑の確執の話。嫁を姑が殺し壁に埋める、その姑を・・・。そんなどぎつい話を、客演の田坂哲郎を中心に、コント調に軽くテンポよく進める。

『ウォーリーを探せ』(from マーティン・ハンドフォード)
 マイムに始まり、客席までウォーリーを探す警官たちの追っかけで、会場を引っかきまわす。

『五十一人目の村人』(from 野田和佳菜)
 伝染病の感染源の村。その人口は50人。パニックのどぎつさを展開よく描いていくのはいい。そして最後には、51人目の死体があった。三坂恵美の歌が聴かせる。この作品は本屋にはなく、中村雪絵のオリジナルらしい。見ごたえがあった。

 この舞台は劇団ぎゃの第3回公演で、きのうときょうで4ステージ。桟敷などに少し空席があった。


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