淡彩の絵を見るような軽やかさが魅力の舞台だ。
それは全体的に、軽く発想してやってのけるというしなやかさを、さりげない演技のおもしろさで見せる。
ただ、ちょっとさりげなさ過ぎるところもあって、大事なところを見過ごしてしまうのがややつらい。
サンジョルディの日(4月23日)は、本を贈る日。
3人の女性から本を贈られた良彦。贈った本には、当然に女性の思いが込められている。その贈られた3冊の本が、オムニバスの舞台として上演されるという趣向だ。
『窪んだ壁』(from 阿刀田高)
マザコンの松彦をめぐる嫁姑の確執の話。嫁を姑が殺し壁に埋める、その姑を・・・。そんなどぎつい話を、客演の田坂哲郎を中心に、コント調に軽くテンポよく進める。
『ウォーリーを探せ』(from マーティン・ハンドフォード)
マイムに始まり、客席までウォーリーを探す警官たちの追っかけで、会場を引っかきまわす。
『五十一人目の村人』(from 野田和佳菜)
伝染病の感染源の村。その人口は50人。パニックのどぎつさを展開よく描いていくのはいい。そして最後には、51人目の死体があった。三坂恵美の歌が聴かせる。この作品は本屋にはなく、中村雪絵のオリジナルらしい。見ごたえがあった。
この舞台は劇団ぎゃの第3回公演で、きのうときょうで4ステージ。桟敷などに少し空席があった。