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《2004.4月−13》

舞台が淡白すぎる
【E−1グランプリ2004九州大会 Aパート (E−1グランプリ九州大会実行委員会)】

構成:E−1グランプリ九州大会実行委員会
29日(木・祝) 18:05〜19:55 ぽんプラザホール 招待


 E−1グランプリ九州大会のAパート(パートの名前づけは、薙野が勝手にしているもの)4ユニットの競演だが、かなり不満が残った。
 舞台が淡白すぎる。人をひきつける状況を、舞台の上にきっちりと作ってほしかった。

『プライベート・レッスン』(劇団KnockOutシアター 作・演出:グッキーあんとく)
 受験生と彼を誘惑する女性家庭教師の話。男女入替えのキャストで、そのほうがはまっているというのはこの劇団らしい。しかし、全体的に「ファスナー」に集約するにしろ、そこまでの展開が弱すぎて、キャラクターも躍動しないのがもどかしい。上演時間約10分。

『同窓会』(みにてつ 作・演出:前原寿代)
 廃校ペンションでの同窓会で出席メンバーが失踪する―果たして犯人は? なのだが、ダラダラとした印象なのに大事なところがすっ飛んでいるようで、ひきつけられない。犯人がわかってからの、犯人のトラウマ探しの回想シーンも中途半端で、よくわからなかった。未完の作品ではないはずだが。上演時間約25分。

『轍の傍ら』(マニアック先生シアター 作・演出:山口ミチロ)
 バス停でバスを待つ男ふたりの会話が中心の不条理劇風の展開だが、なんせ会話が全然からまない。けっこう長いのにこうもとっかかりがなくては、観ているほうはかなりいらつく。上演時間約25分。

『ある雪の日に』(演劇微小集団ふわっとりんどばぁぐ 作:阿久根知昭 演出:狗冬功介)
 かっての劇団公演作品をキャストを入替えての再演だが、見せ場を独占する老婆役の奥村泰自は変わらず、初演とほとんど印象が変わらない舞台に白けた。勝ちに行くより、ちゃんとチャレンジしてほしかった。阿久根知昭の、このようなホロリ系と違う荒唐無稽系の脚本には、おもしろいものがいっぱいあるのに。上演時間約25分。

 Aパート4ユニットは、きのうときょうで3ステージ。
 観客の投票結果は3ステージ合計で、『プライベート・レッスン』47票、『同窓会』62票、『轍の傍ら』95票、『ある雪の日に』111票 だった。
 若干空席があった。


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