福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ 前ページへ 次ページへ


《2005.2月−2》

森三中の、不思議なおもしろさ
【如月ナイト☆ (福岡吉本)】

構成:福岡吉本
5日(土) 18:30〜20:20 イムズホール プレゼントチケット


 売れているのかいないのかよくわからない女性3人のグループ・森三中がメインゲスト。
 その森三中、キャラもネタもおもしろいのかどうかわからない中途半端さで、やる気があるのかないのかわからないと見える芸だ。なんともさりげなくすっとぼけた雰囲気が今風なのかもしれないが、全体的にはもうひとつドッとくるものがあってもいい。

 5組が5分づつのネタのあと、ゲストの森三中が20分、華丸大吉が15分弱。

○アメリカンパンクロック
 コンビ名の話からロックの話題に。「セックスピストルズ」というバンド名を繰り返していたら、あとのしゃべりがそのイントネーションになってしまうというようなところを、テンポよく聞かせる。

○高森敬太
 流行っている歌や本にかみつくが、ありきたりでつまらない。観客への対し方が冷たく見えてしまうのも損している。

○どんぴしゃ
 津波の話から台風レポーターの話へ。よくあるコントで、傘とマイクを取り間違えたりと軽いギャグで笑わせるが、時に停滞してギクシャクするのが惜しい。森本の個性的な容貌を生かせばもっとおもしろくなるだろう。

○パタパタママ
 メチャメチャ授業をそれらしくやるところが、バカバカしくておもしろい。安心して見られる。

○プー&ムー
 男性患者に恋を告白したい男性医師。患者が待っているのは病気の告知で、そのすれ違いを、若干のおぞましさも感じさせてきっちりと見せる。これも安心して見ていられる。

○森三中
 鳥が部屋に闖入してくる「鳥」というコントを、同じセリフで「カオルちゃん」でやるという大きくひねったおもしろさにびっくりした。しゃべりが地なのか演技なのかよくわからない芸風でいながら、アッと言わせるしかけで、フッと別世界に連れて行ってくれる。一ヶ所だけでもそのレベルのおもしろさがあるなら、文句はない。

○華丸大吉
 どうしたら売れるかとかホークスネタで、安心して聞いてはいられるが平板。若干上がってきた知名度に安住する二人漫談ではなくて、ちゃんとした漫才をやってくれ。

 あと余興で、森三中を回答者とするクイズ。内輪ネタばかりで盛り上がらない。企画が貧弱だ。

 このステージはきょう1回。300人くらいの観客だった。


福岡演劇の今トップへ 月インデックスへ 前ページへ 次ページへ