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《2005.4月−3》

即興で、多彩なパフォーマンス
【大耳の夕べ (大耳ネットワーク)】

構成:大耳ネットワーク
8日(金) 20:00〜22:20 パピオビールーム中4練習室 500円


 大耳ネットワークは月2回、「大耳の夕べ」という会を持たれてあり、いちど行ってみたいと思っていた。HPに「見物も可」と書いてあっても、ひとりで行くには度胸が要る。幸い主宰の下松勝人さんと知り合いになり、他のメンバーにも少し知り合いが増えてきたので、思い切って見学に行ってみた。
 そのやり方がおもしろかった。

 午後7時に会場に行ったら、下松さんと田崎ちょこさんがいて、会場の準備を始めたばかりだった。午後8時頃からスタートということなのでひとり食事に出て、午後8時に戻ると、約10人の参加者みんなで準備体操と発声練習をしているところだった。  それが終わると、パフォーマンスが始まった。
 練習室の一方に楽器類が並べられ、中央でパフォーマンスする。部屋の普通の照明のほかに床に置いたライトが使われる。
 参加者の様子を見ながら、下松さんが指名していく。やられるものは5分から20分とその長さはまちまちだが、それぞれに大ざっぱな終了予定時刻を開始時に下松さんが指定する。

 全員によるフィナーレまで10ほどの演し物がやられた。
 内訳は、大きく分けて、ダンス4(フィナーレを含む)、朗読・語り4、ペインティング1。急に指名されて私も5分ほど芝居の話をした。

 ダンスはフィナーレを除くと3つで、ソロが1つ、ペアが2つ。バンドの演奏が入るが、ダンスも演奏も即興だ。どちらかというと力を内にためるような舞踏系のダンスで、ゆったりと見える動きが多いが、時に激しく動き、ペアでは相手と激しくからむところもある。
 朗読・語りは多様だ。自作の詩の朗読のほか、録音したものの解説、詩の枠をとび出したパフォーマンスと、前説のしゃべりも含めてそれぞれに個性的だ。ただ、時間の制約もありグイグイと引っぱりこまれるところまではなかなかいかないが、息づかいまでも聞こえてくる目の前でのライブ感がいい。
 ペインティングは、1m×5mの紙が2枚床に敷かれ、2人が並行してペインティングする。かたや絵の具をぶちまけるようなダイナミックさ、かたやていねいな線描とまったく違うのもおもしろい。25分くらいで完成したものは作品になっている。

 終了は22時20分で、そのあともロビーで連絡事項等の話があった。最終的な参加者はほぼ20人だった。
 大耳ネットワークは、福岡で活躍している詩人や俳優を多く輩出している。このような発表の場があることと、人的なネットワークがそのための大きな力になっているのだろうと思う。


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