この公演は、那珂川町の博多南駅ビル 多目的オープンスペースのオープニングイベントのひとつ。かなり中途半端な、不満の多い公演だった。
5つの作品のオムニバスに、観客参加のジェスチャーしりとりゲームが加わる。
動物GOKKO「にわとり」
バタリー養鶏のゲージの中の2羽のニワトリ。チャボの自由さやシャモの子育てにあこがれるが、犬にやられるシャモを見て、ゲージの中がいいと思い直す2羽。
寓話だが常識的でツッコミが弱く、あぁそう―という感じでインパクトなし。卵を産む成鶏のこともブロイラーというんだっけ?上演時間10分。
童謡GOKKO「メリーさんの羊」@
メリーさんをいじめる友だちを押しのけ、メリーさんをお姫様ダッコする羊。上演時間1分。
ジェスチャーしりとりゲーム
観客参加のゲーム。10の解答欄のある回答用紙が配られ、10人の俳優がジェスチャーで示すしりとりのことばを当てる。
観客もそれなりについていってはいるが、どっちかというと劇団員のほうが盛り上がっている。私ははじめの3つがわからなかった。全問正解者28名というのはすごい。15分強。
やさいGOKKO「八百屋」
八百屋で野菜たちが客に買われるという話。配役をくじ引きで決めるのがミソ。
発想もセリフも凡庸で、配役をくじ引きで決める(従って全員がずべてのセリフを憶えておく)という趣向も、顕われたものはごく当然と見えてしまい、作る側がおもしろがっているほどにはおもしろくない。上演時間10分。
童謡GOKKO「メリーさんの羊」A
不良に連れて行かれそうになったメリーさんを助ける羊と5匹の仲間の羊。メリーさんを助けて、お姫様ダッコする羊。上演時間3分。
静物GOKKO「将棋の駒」
実戦中なのに本将棋をいやがる王将、醒めた盤上解説ばかりの金将と銀将。
発想はいいのだが、常識的でツッコミ不足で単調で、これもインパクトが弱い。上演時間10分。
ここで、ジェスチャーしりとりゲームの答えあわせと景品の抽選。10分弱。
歌劇団GOKKO「羽犬塚グランドロマン モリノクマサン」
ひとりで森に行った領主のお嬢さん。そこで会ったモリノクマサンは、実は改革派・ゲキダンの首領。お嬢さんは彼に恋して・・・。
宝塚調の演技と童謡とのギャップがこの舞台のおもしろさだが、3回目ということもあったかもしれないが、おもしろさを感じない。湿っぽい演技で、演技に勢いがない。上演時間25分。
童謡GOKKO「メリーさんの羊」B
メリーさんのふとんで横になっている羊。メリーさんが来ると、羊はいやがるメリーさんをお姫様ダッコしてふとんへ。これはちょっとおもしろい。上演時間2分。
全体的には、脚本の弱さが致命的。ほとんど乗れずイライラしどうしで、不満が腹に溜まってくるという公演だった。
この公演はきのうときょうで3ステージ。満席だった。